自分が享受している便利な生活の陰に水俣病事件(原発事故)

2011年10月04日

自分が享受している便利な生活の陰に水俣病事件(原発事故)

 今日の新聞に水俣病について書かれた「みなまたの木」(三枝三七子著)という絵本が紹介されていた。またコラムで「治らない病気前に医師は何ができるか」と語った、生涯を水俣病研究に費やした医師の原田正純氏の記述があった。世界に水俣を知られた公害「水俣病」は、未だ解決の途上にある。

 福島原発の事故以来、科学、近代化に市民の多くが疑問を持ち始めてる。イタリアの政治学者アントニオ・ネグり氏は、「第2次世界大戦で二つの恐ろしいことが起きた。一つはユダヤ人虐殺です。もう一つは広島、長崎のだ。‥‥、なぜなら二つとも恐ろしい技術力で行使されたのだ」と語っている。

 東日本大震災は日本に、『原発立国』計画の頓挫を突きつけたと思う。ネグり氏は、市民行動について「政府に介入されない独自の通信ネットワークを持つとともに財産権など個人の権利を超越する必要がある。歴史の前身にリスクはつきものだが、民主的かつ自由、共同体的方法で乗り越えるべきだ。その責任は、われわれ自身にある」と。

 三枝三七子さんが「みなまたの木」を書くきっかけは、5年前に水俣病資料館を訪れ、原田正純氏に話を聞いたそうだ。「自分が享受している便利な生活の陰に水俣病事件のような出来事があり、今も終っていない現実に衝撃を受けた」と。

 関東一円へ電力を配電する電力が、福島や新潟の発電所で作られている。三枝氏の言葉ではないが、自分が享受する便利な生活の陰に、危険と隣り合わせの原発と同居している地域が在ることを忘れていけないと思う。   

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:07Comments(0)社会問題