>都会の大学へ向かう若者、地方の大学を出て都会へ向かう若者。〜『東京貧困女子』から〜

2019年09月21日

<地方創生と地方大学>都会の大学へ向かう若者、地方の大学を出て都会へ向かう若者。どちらも生活は厳しいが、学生生活は大きく違うように思う。〜『東京貧困女子』から〜

(長文です、お時間ある時にお読みください。)

まだ途中だった中村淳彦著『東京貧困女子』を久しぶりに開いた。読みかけの題は「母に一生会いたくない」の一文に、以下のことが書かれている。

(以下、本より転載)

サービス業の本部は、学生生活を送るためにお金が足りない学生が膨大に存在することをよく知っている。人手不足対策として、お金に困っている学生を口説いて1日でも、1時間でも多く働かせようとする。過労や長時間労働で崩れてしまえば自己責任で、切り捨てて別の学生を口説いことになる。非正規の使い捨てだ。(中略)

結局、売春に手を出してしまう。
出会いカフェは都市圏の繁華街にある男女の出会いの場で、どこも売春の温床になっている。・・・・
(以上、本より抜粋)

この女子学生は、高3の夏に母は離婚して家を出て(母は生活保護)、父との2人暮らし、父子の関係が良くなく、悩み自殺行為も、それでも京都大学を目指したが、心の不安定から成績が急落し、京都大学を諦め、父は反対したが(学費は父が出した)東京の有名私大へ進学し、寮に入れたが学生生活をするために奨学金11万3千円とアルバイトをしないとできない状況に。

この学生は、1年の夏から過食症に、2年からうつ病に、4年から統合失調症。うつになった経緯は、サークル週3、学校週5、深夜バイト週4でした。最終的に週4日は寝る時間がない日がてきて、過労と睡眠不足でカラダが崩れてしまいました。
(以上、本より抜粋)

この状況から、この学生は出会いカフェで稼ぐ(売春)に手を出してしまうようになった、と。

都会への憧れと厳しい学生生活の現実に、心が痛みます。

私はずっと熊本県に生まれ住んでいます。我が家の子供たちは、地方(県外)の国立大学に進学し、奨学金と数日のアルバイトしながら、サークルもやりながら卒業し、一人は東京の商社に、一人は地元の公務員になりました。

東京圏、大阪、京都、名古屋の都会生活に憧れている若者文化、果たして学生生活の充実はあるのだろうか?

むしろ学生生活は、地方都市の方が真の学問を深める時間が持てるように、『東京貧困女子』を読み思うようになりました。

我が家の一人は、アメリにも留学しましたが、高校時代に“学歴よりも学問の中身を大事にする学び”を伝えることが大事なように思います。

私は、大学を出ていませんが、まだまだ学びたいことがたくさんあります。

日本は、学歴よりも学問の中身を大事にする社会にならなければ、男子学生も女子学生も都会への憧れから、貧困生活でぼろぼろになる日本では、将来が計れないように思います。

国の「地方創生」の考えに、地方大学での学生生活の充実を求めることが必要だと思いました。

朝から長々と書きました。最後までお読みいただき感謝します。また、ご意見等頂ければ幸いです。



  

Posted by ノグチ(noguchi) at 10:05Comments(0)社会問題