いけないは自分のもの、評価は他人のもの(勝海舟)

2015年10月13日

いけないは自分のもの、評価は他人のもの(勝海舟)

 現代の政治評価(リーダーの評価)は、とても短い感じを受けます。アメリカの英雄的大統領になるだろうと思われる故ジョン・F・ケネディ氏は、不幸にも凶弾に倒れた。またその弟のロバート・ケネディも暗殺された。しかし、かれら兄弟の成し得た成果は、いまでも語り継がれている。ただその成否は、後の歴史でしか評価でないことを、両人が語っていた。
 「ケネディの遺言」に、政治の4つの理念「勇気、判断、尊厳、献身」で、50年後、100年後に、ケネディ大統領の仕事の評価が問われるとあった。
これに似たことを、幕末維新で大きな功績を残した元幕臣の勝海舟が語っている。作家の童門冬二氏が現代語訳で、解説しています。童門冬二著「勝海舟の遺訓」より、

(以下、転載)

 今日したことの評価は今日求めるな
 ~大きな人物というのはそんなに早く現れないよ~

 海舟の持論である。最初に揚げた、
「行ないは自分のもの、評価は他人のもの」
 という態度に一貫している。勝は、大きな人物が世に現れるのは、だいたい百年単位だ、というようなことを言っている、それも、その人物が書いた自叙伝とか、何かによって現れるのではなくて、百年二百年経つと、同じように大きな人物が再び出るためだという。その人物が後先のことを考えているうちに、何百年も前に、丁度自分の意見と同じ意見をもっていた人間を発見するからだ。そこで、そいつが驚いて、
「なるほど偉い人間がいたものだな。二、三百年前に、おれと同じような考え方をしていたのだな」
と騒ぎ出すようになって、その過去の人物が知られてくるのだという。知己を千載の下に持つというのはこのことだ。
 さらに、勝は言う。
「ところが、今の人間はどうだ。そんな奴は一人もいない。今日のことは今日知れて、今日の人に誉められなくては承知しないという尻の穴の小さい奴ばかりだ。大勲位だとか、何爵とかいう肩書をもらって、俗物かわわいわい騒ぎたてられるのをもって、自分は日本一の英雄豪傑だと思っているのではないか。よく考えてみよう。維新後、まだ三十年しか経っていない。大人物が現れようとしても現れるはずがないのだ。今日、自分から騒ぎ出して、いくらか俗物に知られている奴等は、そうだな、今から三十年も経たないうちにすぐ忘れられてしまうだろう。若い連中は、まだ三十年や五十年は生きているだろうから、果たしておれの言ったことが嘘か本当か、自分の目で確かめてみたまえ」
 現代にもぴったり当てはまる言葉だ。
(以上、「勝海舟の人生訓」)

 リーダーたるものは、目先の騒ぎに翻弄されることなく、社会変化に注目し、世界に動向を見極めながら、長期の視点から、判断を下すことが大事と思います。  

Posted by ノグチ(noguchi) at 17:46Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他

理想の実現は遠き先にあらず常に身近にあり、大決心の実行は明日を待たぬ(勝部徳太郎)

2015年10月07日

理想の実現は遠き先にあらず常に身近にあり、大決心の実行は明日を待たぬ(勝部徳太郎)

今日の地方創世のセミナーに参加して昭和の大農家の勝部徳太郎氏を思い出しました。

 昭和の大農家に、勝部徳太郎氏がおられます。東洋の小麦王と言われた勝部氏は、哲学者か、詩人かと思える言葉を残している。時代を引っ張ったリーダーの言葉は、短いが心を動かすものがある。 

「誰もやったことのない仕事、誰もやれない仕事こそ男としてやり甲斐のある仕事だ」

「十年辛抱せよ十年の歳月は立派に成功できる歳月である」

「信用ほど大きい資本はない、自信ほど大きい財産はない」

「同業者が多くとも心配するな、やがて、不熱心なもの、不親切なもの、不熱練なものが落伍して、その反対のものが残る・これが成功者と言われる人だ」

「理想の実現は遠き先にあらず常に身近にあり、大事業も今日の只今より始まる。大決心の実行は明日を待たぬ」

 数年前に、宮崎兄弟の生家をたずねました。荒尾市が制作した4兄弟を紹介するビデオの末尾のことば「理想は実行しないと夢想に終わる」があった。

 勝部氏は、戦前戦後、厳しい北海道の地で、冬場の出稼ぎせず、若いころは一日18時間以上働き続け、終戦直後に花を栽培、次にイチゴを栽培、全く違った発想で北海道を驚かせ、次に本格的に始めたのが小麦の大農場です。
 一軒の家族農業で、100haを越える農地を大型農業機械をアメリカから導入し、昭和50年代には東洋一の小麦農家になった。

 勝部氏は、資産を子どもに残さず、勝部財団を作り後進の指導に当たった。勝部氏の伝記の遺訓が上記のものですが、「小学校しか出ていない」と勝部氏は、控え目ですが、その体験、学問の深さから出てくる言葉は、心に響くものばかりです。


*参考資料:「勝部徳太郎翁伝記『農業は大地に鍬で彫る版画なり』」
 この本は、全国の有志が集まり制作された本です。  

Posted by ノグチ(noguchi) at 20:24Comments(0)偉人

父の葬儀に、ご参列いただきました皆様に感謝申し上げます。

2015年10月02日

父の葬儀に、ご参列いただきました皆様に、感謝申し上げます。

父は、89歳で永眠しましたが、自分なりの生き方を全うし、私たち家族に人生を通して、生きる意味を伝えてくれたと思います。

特に晩年は、「老いとはどうゆうことか」を、体力をなくなって行く状況や、認知症がどういうものかも示してくれたように思います。

いつかはくると覚悟はしておりましたが、いつ逝くかは、その時が来ないとわかりません。ここ4日間は、慌ただしく過ぎましたが、徐々に日常に戻ると思います。

今朝から、朝の通学指導も始めました。季節は、秋の深まりを感じるようになり、英気を養いこれから頑張りたいと思います。

今後も皆様に支えられて、社会のために、微力を尽くすつもりです。これまで同様に、ご指導賜れば幸いです。よろしくお願いいたします。  

Posted by ノグチ(noguchi) at 12:57Comments(0)