(高杉晋作)時務を識(し)るは、俊傑に在り

2009年01月14日

(高杉晋作)時務を識(し)るは、俊傑に在り

 正月から読み始めたPHPの文庫本「天翔ける若鷲『高杉晋作』」なる文庫本を読み始めたのですが、なかなか一気に読めずに、今日の昼食にやっと読み上げました。「面白きなき世を、面白く」の言葉で、現在も大きな影響を与えている幕末の英雄です。

・松下村塾
 高杉晋作は、松下村塾に17才で入門し、27才でこの世を去るのですが、実質の活躍は5年弱。長さではなく、短くても何をしたかにあるのではと思います。
 破天荒の志士の言動ですが、吉田松陰に「松下村塾の二傑」と言わしめるまでは、相当、学問に打ち込んだ時期があります。それを現す出来事は、第二次長州戦争の時です。

・奇兵隊と戦法
 奇兵隊を使い、夜襲を中心に、神出鬼没、獅子奮迅の激しい戦闘をやるかと思うと、小倉城攻めでは、小倉城下の困窮する庶民に食料を与え、じっくり城下の信任を集め、城に通じる者に「混乱するような情報」を城内へ流させ、幕府軍の不協和音を誘い、14代将軍の死去もあり、幕府軍は一気に弱気なり、城に自ら火を放ち逃走した。これも、晋作の作戦でした。
 三国志の諸葛孔明を思わせる時期を得た作戦(行動)には、驚くばかりです。

・列強のすごさを知る
 高杉晋作の転機の一つは、上海視察にあると思います。西洋列強に、奴隷のごとく使われ、土地を借り上げられ、植民地並みの扱いを見て、「日本は争っている場合でない」と思ったのだと思います。
 帰国後、すぐに志願兵を募り西洋式訓練にして、幕府との戦いに備えのですが、長州内で政変が起き、一時穏健派に支配を受け、多くに志士が命を落としました。
 うまく難を逃れた晋作は、たった一人で穏健派の打倒に乗り出します。参加者がだんだん増えて行き、戦闘能力の高い「奇兵隊」が勝利し、改革政権を打ち立て、幕府軍との第二次長州戦争に備えました。
 軍備、薩長同盟等々が整い、兵力は10倍あった幕府連合軍が、長州に敗北し、一気に明治維新へ向け時代が変わって行きます。

・時務(時の役目)を知る
 この5年間の高杉晋作の行動こそ、時務(時の役目)を理解し、ここぞと言う時に働く志士こそ「俊傑(しゅんけつ)」と、三国志では語り継がれています。三国志の俊傑は、劉備に仕えた、諸葛孔明であり、龐統(ほうとう)です。
 幕末では、高杉晋作、坂本龍馬、西郷隆盛でしょうか。

 時代の流れを読む能力と行動力こそ、現代のリーダーに必要な要素かもしれません。
 幕末の三傑に共通するものは、命を顧みず突き進む「勇気」と、高い「志」にあるように思います。
 そして役を終われば、さっとその場から去ってしまう潔(いさぎよ)さも、共通するものがあります。

 今、高杉晋作が生きていたら、日本現状を何をもの申すでしょうか。聞きたいものです。

*参考資料:何条範夫著「天翔ける若鷲『高杉晋作』」
      守屋洋編著「中国古典 一日一話」
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 18:37Comments(0)偉人

人々の思いをつなぐまちづくり(15日実践のまちづくり講座)

2009年01月14日

人々の思いをつなぐまちづくり(15日「実践のまちづくり」講座)

 1月15日、22日大学の「実践のまちづくり」講座90分、

 毎年、熊本大学で1月に2日間ある「実践のまちづくり」講座がやってきました。何時も何を話すか悩むのですが、やっと昨日担当の先生と打合せをして、話の骨子が決りました。
 今年のテーマは、「まちづくりとリーダー」に焦点を絞り、テレビに特集や、日本のリーダーの理念、市民参画を目指したまちづくり、あるいは次世代の環境先進地の取り組みも含め、やってみたいと思います。

 毎年、受講生は違うのですが、「毎年、同じ話をしない」と言っているので、今年も12月から資料を集め、ビデオを収録し、1週間ほどで準備を、毎夜しながら考えてきました。そこで考えたリーダーとはなにか?を考える中で、次の言葉に出会いました。、

「世界の相互依存の状況、遠く離れた(日常合わない)人々の状況(心境)に思いをはせること、常に考え、決断したら即実行し、ゆるぎない指導力を基に、目的を完遂するように努力する姿勢」

地域づくりも、国づくりも、誰がリーダーになるか(据わるか)で、紛糾する状況を集束させる風景を何度か見ました。リーダーは、自分なりに信条を持っていることが大事と思います。

 昨日の日記の中で書いた、3人の日本リーダー、松下幸之助氏、土光杜敏夫氏、そして前難民高等弁務官、現JICA理事長の緒方貞子さんが、番組の最後で緒方さんが語れた言葉です。番組で、緒方さんの信条は何かの議論は、「地球に住む人々の一人ひとりの『人間の尊厳』ではないか」と思いました。
 
 日本も世界も、未曾有の経済混乱(不況)下にあります。きつい時だからこそ、地域で、国で、世界で、「何をするか」を、遠望する明確なビジョンに向け、非難をあびつつも着実に実行して行く、勇気、決断、その中でも苦境にある人々の尊厳を尊重しつつ、厳しい財政に中で何をするか、人々の声に耳を傾け、献身的に働く人たちこそ、リーダーではないかなと思います。 

*昨日の出会い中ので思ったこと気づかされたこと

<太陽光発電の普及促進>
 昨日、ある普通の老夫婦と語る機会がありました。既に、年金暮らしですが、仕事の話が終わり、国の環境政策の話になった時、
「太陽発電を無料で普及させ、原発の廃止するくらいのことをしてほしい。それが出来なければ、設置のための補助金を大幅出して、新産業育成をしてほしい」と語れていました。私は、ドイツの買い取り電力料金の3倍の制度の紹介したら、「それ聞いたことがある。なぜ日本はできないのかね」とありました。
 政治活動に全く関係ない人々の声も、きちっと聞くことがこれからもっと必要と思いました。

<2兆円給付金>
 また、友人と語ったのですが、「2兆円給付金は、1兆円は今困っている人に給付し、もう1兆円は、地方の産業育成、人材育成に使って欲しい。人・企業が育ては、その給付したお金を、2倍にも3倍にもすることなると、要望したい」と話していました。

 これを考えると、一般市民も地域の未来、日本の未来、地球の未来を常に考えているだなと思います。行き詰ったと言われる地球環境(人口、自然、食料、エネルギー、経済)ですが、人々が真剣に考え、実行して行けば、打開策は見つかると言う希望を持って、これからも生きて行きたいと思いました。

*まちづくり講義は、公開されています。お時間はある方は、聴講下さい。
 1月15日16:10~(90分)、22日も同じ時間になります。
教室:熊本大学教育学部、大教センターC棟1階102号

<以前の日記>
・(リーダーの心得)頭は冷静、心を寛大に、行動は胆を据えて
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 09:15Comments(0)マイライフ