ケネディの信念が国の凋落を止めた(リーダーの行動とは)

2007年11月09日

ケネディの信念が国の凋落を止めた(リーダーの行動とは)
 ~指導者の理念と行動の速さの勝利~

 ケネディは、就任時のアメリカ経済を状況から、鉄鋼業界と鉄鋼労組と賃上げ交渉に、指導力を
発揮した出来事がありました。久々に、リーダーの姿勢について書きました。ご意見頂けるとあり
がたいです。

・労組の賃上げと鉄の値上げ懸念
 1962年の労使交渉は、賃上げ17%のとてつもない要求から始まった。もしこれが、実現すると
鉄の価格が上がるのは必至で、インフレ問題が健在化することを懸念し、ケネディは、超法規的
な考えで、鉄鋼業界と鉄鋼労組のトップをホワイトハウスに呼び、アメリカと世界の経済状況から、
インフレは国力を衰退させることを主張し、極力賃上げを抑えて欲しいと説得して、2.5%アップで
治まった。
 ところが、鉄の価格上昇に影響を与えないと安堵した矢先、トップ会談の約束を破り、鉄鋼業界
王手が値上げを発表した。このままでは、ケネディの努力は無駄で、大統領の信用失墜につなが
りかねない、ケネディは相当怒ったと伝えれています。

・鉄鋼会社トップの約束違反への怒り
 そこでケネディは、この鉄鋼業界王手の横行ぶりに対して、直ぐテレビを使って国民にアピール
した。

「USスチールを始めとする大手鉄鋼会社による同時かつ同一な1トンにつき6ドルと言う値上げは、
公共の利益に対する無責任かつ不当な挑戦と言わざるを得ない。
 今我々は、我が国の歴史の中で最も重要な岐路に立っていることは、改めて強調することはあ
るまい。東南アジアやベルリンでは重大な危機に直面し、国内では経済の再建と安定のために
皆が全力を尽くし、予備兵たちには家や家族から何ヶ月も離れてくれるよう要請し、兵士たちは命
を賭けてくれるよう要請し・・ここ2日のうちに4人がベトナムで散っている・・、組合(鉄鋼労組)に
は賃上げ要求を控えるよう要請し、全ての人々が自重と犠牲が強いられている時、個人的な権力
と金を追求するひと握りの鉄鋼会社の幹部たちがその公的責任を顧みず、1億8500万人のアメ
リカの利益を頭から侮辱する態度に出た状況を、アメリカ国民は、私同様決して受け入れないだろ
う。」

 アメリカ始まって以来の、大統領が大企業の行動を非難する声明に、国民も鉄鋼会社のトップ
たちも驚いたことだろう。

・法と市場から業界へ挑戦
 ケネディは、価格カルテルの調査と同時に国の鉄及び鉄製品の購入先を、価格値上げを表明し
ていない中堅鉄鋼メーカーに差し替え、更に鉄の値上げをしないように要請を行った。
 この行動は、国民に指示されアッと言う間に、大手鉄鋼会社が値上げを返上し始め、とうとうUS
スチールの値上げ発表の3日後に、大手鉄鋼会社は全て値上げを取り下げた。
 もし大統領がニクソンだったら・・の落合信彦談は、「選挙キャンペーンに大手鉄鋼メーカーから
支援したことで、業界への圧力などかけることはできない。企業べったりなので、労組との約束な
ど信用しないから、仲介者にもなり得なかった。」と書かれていました。

・リーダー不在が、日本のバブル回避できず
 1990年代の日本のバブル(超インフレ)現象に危惧を察知し、もしケネディのような私利私欲の
無い視点で、社会の動向を検証して、土地投機に規制をかけることができていれば、日本の国事
情に合った成長ができたのではと思います。
 当時の日本の政治家には、孟子に出てくる「浩然の気」を持ち合わせた、勇気有るリーダーが存
在しなかったと感じます。思い出すに、リーダー自身もバブルに踊らされていたのかもしれません。

*参考文献:落合信彦著「ケネディからの伝言」

<今日の言葉>
「倜戃不羈(てきとうふき)」~明治の精神~
独立心に富み、人の手綱では動かない信念の(常識で測れない)人
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 08:47Comments(0)政治問題(国)

世界は多極化する方向に進む?

2007年11月08日

世界は多極化する方向に進む?
~田中宇・国際ニュース解説~

 4年くらい前から、読んでいるジャーナリストの田中宇氏のメールマガジンの紹介です。
 私の管理するコミュ、政治評論家の内田健三氏のトピックへの書き込みの返事の転載です。現在の世界情勢の検証の参考になると思います。一度検索して見てください。
 但し、長文なので、時間があるときに読むと良いと思います。メールマガジンも配信してもらえます。
 

<(ジャーナリスト・田中宇)国際ニュース解説>
「ドルは歴史的役目を終える?」 2007年11月06日  
 http://tanakanews.com/071106dollar.htm

(記事の内容紹介、一部)
・ドルに対する世界的な信用不安が続いている。
・来年には香港ドルの対ドル為替を切り上げるか
・石油高騰で、湾岸諸国の経常黒字は30%に
・ローン破綻はこれから本格化、アメリカでは数百万人が払えない
・最初から機能不全だったブレトンウッズ体制
・第2次大戦後、アメリカを赤字にして世界経済を発展させる
・共和党は資本家の手先、民主党はイギリスの手先?

(記事の抜粋)
 東アジアの共通通貨の構想は、以前は「日中とASEAN」という組み合わせだったが、日本と中国の関係が今後も改善しない場合、むしろ中露中心の「上海協力機構」を基盤とした共通通貨作りが先行し、日本は通貨の多極化の中で孤立していく可能性もある。日本の経済力と経常黒字、外貨準備の巨大さを考えると、日本は外されそうもないが、事態は流動化している。


 検索頂き、もし参考になれば幸いです。

 但し、ニュースは鵜呑みにせず、長く検証して行くことが大事と思っています。感想でもいただけるとありがたいです。
 よろしくお願いします。
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 23:01Comments(0)国際関係

「公私領域の活動せぬものを無益な人間と見なす」

2007年11月08日

今日の言葉

「ただわれらのみは、公私領域の活動に関与せぬものを閑を楽しむとは言わず、
ただ無益な人間と見なす」


【ペリクレスの弔辞 B.C.431】(抜粋)、ギリシャ

 われらの政体は、他国の制度を追従するものでもない。ひとの理想を追うの
ではなく、ひとをしてわが範を習わしめるものである。その名は、少数者の独
占を排し多数者の公平を守ること旨として、民主政治と呼ばれる。わが国にお
いては、個人間に紛争が生ずれば、法律の定めによって全ての人に平等な発言
が認められる。だが一個人が才能の秀でていることがわかれば、無差別なる平
等の理を排し世人の認めるその人の才能に応じて、公けの高い地位を授けられ
る。また例え貧窮に身を起そうとも、ポリスに益をなす力を持つならば、貧し
さゆえに道を閉ざされることはない。(中略)

 われらは、素朴なる美を愛し、柔弱に堕することなき知を愛する。我々は、
富を行動の礎とするが、いたずらに富を誇らない。また身の貧しさを認めるこ
とを恥としないが、貧困を克服する努力を怠ることを深く恥じる。そして己れ
の家計同様に国の計にもよく心を用い、己の生業に熟練をはげむかたわら、国
(地域)の進むべき道に充分な判断をもつように心得る。
 ただわれらのみは、公私領域の活動に関与せぬものを閑を楽しむとは言わず、
ただ無益な人間と見なす。(中略)


「感想」
 2400年以上前のギリシャの市民意識も、現代の同じものがあると思います。
無関心こそ最大の罪であると・・。
 陽明学の天人合一の哲学は、私心を忘れ公に視点で、物事を考え行動する大
切さを、紀元前から東西を問わず、大切にしてきたことと思います。果たして、
現代の民主主義はその理念を学んでいるのでしょうか?
 私の母校の校歌に「・・自然の啓示、神の声、青春の夢多きかな・・」とあ
りますが、若者たちの夢が世界に役に立つことを目指すことであることと願う
ばかりです。
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 10:09Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他

小沢代表辞意を撤回、「現代もまた過度期である」

2007年11月07日

小沢代表辞意を撤回、「現代もまた過度期である」


■小沢代表は続投、辞意を撤回
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=333613&media_id=2

>鳩山氏らが続投を求める意見が党内の大勢を占めていることを伝え、翻意を改めて促したところ、小沢氏は「恥をさらすようだが、皆さんの意向を受けて、ぜひもう一度頑張りたい」と慰留を受け入れる考えを表明した。4日から続いた小沢氏の辞意をめぐる混乱はひとまず決着がついた。


 一人ひとりの心の集合体が、政治集団(党)と思いますが、世の中と同じで、混乱しています。
 いつの時代もこのような出来事はあるのと思います。政治評論家ではないですが、文芸評論家の小林秀雄氏の言葉に次の言葉がありました。


「 諸君は、又こういう事を考えてみないか。混乱していない現代というものが、嘗てあったであろうか、また将来もあるであろうか、と。」(「現代女性」11-94、1939年37歳)


 1939年と言えば、戦前なのですが、やはり混乱していたのでしょうか?
 また、歴史の検証について、次の言葉も書いています。


「 未だ来ない日が美しい様に、過ぎ去った日も美しく見える。こうあって欲しいという未来を理解することも易しいし、歴史家が整理してくれた過去を理解することも易しいが、現在というものを理解する事は、誰にもいつの時代にも大変難しいのである。
 歴史が、どんなに秩序整然たる時代であったか語ってくれようとも、そのまま信じて、これを現代と比べるのは良くない事だ。
 その時代の人々は又その時代の難しい現在を持っていたのである。少なくとも歴史に残っている様な明敏な人々は、それぞれ、その時代の理解し難い現代性を見ていたのである。
 あらゆる現代は過度期であると言っても過言ではない。」
(「現代女性」11-94、1939年37歳)

 
 歴史は、歴史家が長い年月をかけて、整理してくれるから理解できるのだと思います。
 現代に生きる人々は、日々、人との関わりや、周りからの影響により翻弄され、悩み、考え、行動しているのだと思います。
 今回の小沢氏の去就の結果は、歴史が解説し、判断を下してくれると思います。小林秀雄氏の言葉ではないですが、「現代もまた、過度期である。」のだと思います。
 民主党の今後の動きに注目して行きたいと思います。


*参考資料:小林秀雄語録集「人生の鍛錬」
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 20:28Comments(0)政治問題(国)

まちづくり~まちづくりに必要な交渉術~

2007年11月07日

まちづくり~まちづくりに必要な交渉術~
  「競合的交渉」と「協調的交渉」のちがい
 今回は、まちづくり事例の報告を休んで、まちづくり、地域おこし、再開発や会社間、地域と会社、個人と団体等様々な場面で、話し合いや交渉をする場が起こることと思います。この交渉とまちづくりに関して、最近読んで参考になった本から考えてみました。
 本は、野沢聡子著「問題解決の交渉学」(PHP新書)ですが、私も色々な地域活動、社会活動に関わり話し合いの場面に参加したり、主催者側の立場だったり、また本業の仕事で交渉ごとは一の現場で、2~3度あるものです。建築家は、建築現場の様々な事業の交渉の調整役にもなります。
 
 さて、野沢氏の本の「競合的交渉」と「協調的な交渉」の意味から少し説明をして、交渉事例を読みながら考えます。

・競合的交渉:双方の主張を曲げずに、歩み寄りがなくどちらかが決着の方向
      (勝利)を導くまでやる交渉。
・協調的交渉:それぞれの立場を理解し、争点と共通点を整理しお互いに譲歩
       しながら、共通問題の認識を持ち、問題を解決へ導く交渉。

本に出てきたのは、マンション開発の事業者と地域住民の交渉でした。当初は、お互いの不信感から抜け出せず、会議は難航し、平行線たどりますが、何度も話をするうちに、お互いの欲求が何処にあり、地域要望と事業者の争点が整理していく中で、地域づくり方向が見えて来て、論争が下火になって行った事例がありました。お互い何を目的にしているのかが、初めは交渉に参加しているそれぞれの立場が見えず、対話を交わす中でそれぞれの要求が整理され、感情の高揚が静まって行くと自ずと方向が見えてくるもです。ただ、不信感が有ったり、互いの利害の収束点がむずかしい交渉は決裂することが多々あります。

 前回のコモンズメールで話題にした「ソフト・パワー」と言う考え方の延長線上に、未来を視野に入れ協調的な人間関係つくりと人を理解させて、協働で問題を可決する能力(エンパワーメント)がこれから求められると考えます。様々な場面で交渉力は、個人の能力に依存する部分があります。本の文中に、

a.「パワー」を行使するのに有効な資源(人材、情報、知識、お金など)。
b.人に影響を与える動機。
c.「資源」を自分の「パワー」に変える技術。
d.「パワー」行使に当たってのタイミングの的確な判断。

上記の4つを確実なものにするのが不可欠であると書かれています。技術と言うより人間力(ソフト・パワー)を高める努力を常に心がけ行くことが重要です。関わる問題には「協調的戦略」を考えの中心に据えて、連帯を呼びかけ他者と一緒につくり出す「パワー」を使えば、問題解決が「われわれの問題」となる気がします。また、野沢氏の本の参考資料から、今の自分や社会で出会う人々の姿勢を考えてみます。

e.意思決定の発達段階
                     (交渉の場に見られる要素)
 意思決定  発達段階   大局観      基本理念     目的
         幼児期   世界は私のもの  自己中心  本能的自己防衛
         小児期   世界は危険な   力の支配  意図的な自己防
                 もの                衛と集団防衛
         青年期   世界はジャング  生存競争   「勝つ」こと
                 ルである
         成人期   世界は一つで   真実と正義  多様性を認めた
                 ある                 結束・共存

f.コンフリクト(紛争)の対処法と発達段階
                 コンフリクト     コンフリクト
 意思決定  発達段階  解決の特質     解決の傾向  
         幼児期   生存本能      自己中心的  
         小児期   力の行使      権威主義的
         青年期   「パワー」の行使  闘争的  
         成人期   結束・共存      協調的
               (野沢聡子著「問題解決の交渉学」より、抜粋)

「上記の心の成長を見てみて、周りの多様な事件や問題を検証してみると、関わる人々が「成熟した大人(成人期)」は、どれくらい居るのだろうか。多くの人が青年期あたりで低迷しているか、あるいは、いつまでも幼児期にあって、体だけ成長してしまったという人が多いと、自分も含めて、思い当たることが愕然としました。と同時に、権力を楯に威張って、弱者を抑圧する手段として「他者を支配するパワー」を行使する人々の精神構造がなんとなくわかったように思われる。」と書かれています。

 このような思考を持って生きると、自分とも、家族とも、また周りに居る多様な分野で関わりや生活で出会った人と起こる「不都合(わだかまり)」も心を静め考えるゆとりと対話と言う時間を設けることで、自ずと解決の糸口が見つかるのかもしれません。最近聞いた著名なリーダーの言葉に、
・トヨタの張社長がよく使われる言葉に「私心のない人」、
・あるメガバンクの社長は「これからは、人に貸します」
とも発言されています。私心が入らず、将来的なことまで視野に入れて発言をすることが大切なようです。
 安永蕗子先生の「人は、何になるのではなく、どう生きるか」、「学問は、生きるためにある」の言葉の意味が少し見えて来るように思います。ただ、日々の生活でついつい忘れる成人の心でない、(小人の)自分と付き合うのに時間と対話が必要なのかもしれません。
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 08:02Comments(0)まちづくり

対人地雷廃絶条約を今も批准しない国への訴え

2007年11月07日

対人地雷廃絶条約を今も批准しない国への訴え
  ~地雷廃絶と被害者支援の会・熊本~

数日前の新聞を読み、思い出したメールマガジンを紹介します。

 1997年対人地雷廃絶条例が締結され、1999年に発効したことは、新聞等々でご存知か
と思いますが、世界の軍事大国や紛争当事国はこの条約を批准していません。また、こ
こ1年くらい急に盛り上がっている憲法改革論議に、市民から多様な意見がでていますが、
熊本地元紙に熊本を中心に地雷廃絶と被害者を支援している団体の代表の最相博子さん
の意見が出ていました。

 最相さんは、長野オリンピックで聖火ランナーとして走られた地雷の被害者でもある
クリスムーン氏とその著書「地雷と聖火」と出会い、「今でも地雷に苦しむ人がいる。
これが、現代の話なのか」。クリスムーン氏は、義足で過酷なマラソンに挑戦し、世界
の現実を知らせるために続けていること知りました。
 最相さんは、ぜひクリスムーン氏を熊本へ呼ぼうの思いで、仲間と作る同時通訳協会
(最相代表)の研究会で「世界の地雷問題とクリスムーン」と題した英語スピーチを行
った。これを契機に、仲間や賛同者で会を発足させ、クリスムーン氏を招聘し、阿蘇カ
ルデラ100kmマラソン参加や高校での講演等で地雷廃絶を訴えている。

 最相さんは、カンボジアの実際の地雷原に行き、地雷探索の状況と地雷を爆破させて
撤去する一連の作業を体験し、強烈な爆音と威力が目に焼きついたそうです。クリスム
ーン氏とは、私も3回お目にかかりましたが、モザンビークでの地雷撤去が終わったは
ずの場所を歩いていて、たまたま探せなかった地雷を踏んで、片手・片足が爆風で吹っ
飛ぶ大けがのために、入院生活とリハビリを余儀なくされたそうです。
 その苦しさは、創造を絶するものと思いますが、それを乗り越え紛争地域の現実を知
らせるために、走り続けていると言われました。この強さは何処から来るのか、世界の
人々へ伝えるメッセージが伝わって来ます。
 最相さんは、その後カンボジアに5度を旅をして、地雷被害地の被害者の生活の現実と
向き合い、被害者が働けず困窮した生活を見た。手や足、視力を失った子供たちが自分
の二人の息子と重なって感じたそうです。
「兵器がもたらした不幸を目の当たりにしてきたからこそ、平和という言葉の重みを感
じている。小学生のとき学校で、「日本は、戦争を放棄した国です」と先生におそわり、
「えー、よかったね」と喜んだのを覚えています。9条は、世界のお手本だと思った」と
最相さんは話されています。

******peace & future******
世界の平和と次世代の夢を創りましょう
*******************
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 08:00Comments(0)平和

自然の権利 ~1972年、米国での渓谷開発をめぐる訴訟~

2007年11月07日

自然の権利 ~1972年、米国での渓谷開発をめぐる訴訟~
 熊本日日新聞(2005.5.2)の朝刊の「私と憲法」のコラムの中にあった「自然の権利」と言う言葉に目が留まりました。
 動植物や自然そのものに、法的な権利を認める考え方のことで、自然物が権利回復や損害賠償などを求めて訴訟を起こすことができるとし、法廷では人間が主張を代弁する。1972年に実際にアメリカであった訴訟の報告でから考え方が理解できます。訴訟は、渓谷開発をめぐるもので、渓谷自体に訴えの資格を与える支持者がきっかけになった。
 日本でも、アマミノクロウサギを原告にして奄美大島のゴルフ開発許可の取り消し訴訟や諫早干拓事業で住民がムツゴロウや諫早湾を原告加えて事業差し止め訴訟などがあるとが、権利が認められた判決はないとのことでした。
 未来世代からの願いに対して、現代社会の活動の結果にどう責任を取るか、考えるきっかけになればと思って書いてみました。現実の判決は、未来の人たちの代弁者でしかないので、答えを出せずにいるようです。
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:59Comments(0)環境

サッカーのまちづくり

2007年11月07日

サッカーのまちづくり

 キッズサッカーのまちづくりの発想は、12年近く5才~9才のサッカークラブ
をやって来たのですが、地元での活動も8年目になり、保護者会も発足し、中学
で一緒になる二つの小学校の子どもたちが参加するようになり、来年キッズか
ら参加した子どもが中学に進学します。保護者も小学校区を越えて交流が有り、
中学での学校内での選手強化の中で、子どもたちに成長へのアドバイス等に保
護者が関わると良いと考えています。
 先で役立つように、キッズ-小学校-中学校-社会人クラブの連携を取り、
地域で育てるサッカー少年の連絡会なるものができつつあります。

 教育の中では、確かに現在は、進学を中心とする教育が主流ですが、最終学歴
卒業後に地域に残り生活をして、地域社会を支えてくれる人材の育成も大切と考
がえています。地域の人材は、人口が減少する時代でも有り、地域の大人が自ら
育てる意識が必要不可欠です。

 サッカーに関わって、子どもも大人も顔をあわせ仲良くなり、保護者全体で学
校のクラブを支えて行けば、子どもたちも大人に成り、同じように地域社会に関
って行くと思います。小さな地域のサッカー教室ですが、後のまちづくりにつな
れば、大きな意味を持つと考えています。この活動を、近隣の小学校にも広めた
いと考えています。勝つサッカーでなく、好きになるサッカーと仲間作りを目標
に、保護者の連絡会が地域の作りにつながれば願っています。
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:56Comments(0)まちづくり

スーパー技術者社長「岡野雅行氏、70才」

2007年11月06日

2003.02.16 野口の日曜メール№5-① 

「スーパー技術者社長」

 7年小学校のPTAに関わって来ました。現在の学生(児童)も同じ情報の中に有り子供たちも将来のことを考えているように思います。次の世代を良くしようとする志の芽生えは十分にあると思っています。今の大人も行動にできることから始めてい行かないと行けません。本題の前の余談になりました。

 今日は、NHKのBSで放送された町工場の「スーパー技術者社長」の話しです。

・不況知らずのスーパー技術者社長

 金型加工の町工場の職人社長の岡野雅行氏の対談番組で、従業員6人年商6億円元気印の70才社長で、睡眠時間が今も4時間前後の熱血技術者です。話題の商品は、蚊のくちばしのような注射針の開発秘話と事業の理念でした。細さ0.2mmの針の開発へ向かう姿勢は70才とは思えない熱き志があり実現へ向けて頑張った自信に満ちていました。会社の理念が最後に話されたのですが

 1.誰もやらない仕事やる
 2.同じ仕事をやらない
 3.会社を大きくしない

 2の同じものは作らないは、蚊の細さの注射針は初めは市場としては小さいが付加価値の高い市場で利益率が高い、でも需要が広がれば単価が下がるから後は、技術供与して次の開発に着手して行く。だから、会社を大きくして同じものを作っていては、開発に人材と資金をつぎ込めないと話されています。バブルで人がしなかったものを手がけたことが今の先頭にあると話す岡野氏の実践の裏付けから来る自信は心に残りました。

 逸話ですが、中高生が修学旅行で岡野製作所に来ると30分くらい話をされるのですがその学生が家へ帰ると会社に電話が時々あるそうです。自宅の玄関に入るやいなや「俺はやるぞ(出きるぞ)」と帰るなり声を上げると言います。要は、後継者不足は夢を持たせれるか(?)ではないでしょうか。

 これは、どの分野の中小零細企業にも言えることで、上記の1.2.3を忘れずに新たなニーズへ挑戦して行きたいものです。みなさんは、いかがでしょうか?最後に話されたことで今後の展開は、ローテクの技術が市場に応えると話されています。
 例ば、時計は現在電池時計が主流ですが、水銀やゴミのこと環境汚染等を考えてオートマチック(自動巻)や太陽電池を使う技術が発達して、次世代への責任を市民が求めると町工場の視点の高さに驚きました。

  

Posted by ノグチ(noguchi) at 00:15Comments(0)新技術、新潮流

介護奮戦記「夫のかわりはおりまへん」

2007年11月04日

夫のかわりはおりまへん

介護奮戦記「夫のかわりはおりまへん」
(2002.07.25のメールマガジンから)

 7月中旬から読み始めた「夫のかわりはおりまへん」と言う介護奮戦記から色々考えています。元高槻市長の江村利雄氏著書の本です。だいぶ前にテレビの報道で知ってはいたのですが、どんな人だろうと記憶に在り、本屋で見つけて発見塾後読んでました。

 介護と簡単に言いますが、人により家庭により色々あります。市長と要職にあり任期を終えずに、経緯や目的はさておき中途で家庭の介護に宣戦しますとは、すばらしいと思います。我が家も今年(2002年)春に100歳になる祖母が亡くなりました。その状況を目の当たりにしていたこともあり、身近なことと受け止めていました。

 介護保険は始まり、複雑な評価や地域間格差など問題は多く残っています。高槻市の市長も介護保険の開始直前までの準備を終えて自分の奥様の介護のために市長を辞めた時の言葉、「市長のかわりはおりますが、夫のかわりはおりまへん」の軽快な関西弁が心を打ちました。これを自分の家族や自分自身に置き換えて出きるかなと考えることがあります。みなさんは、いかがでしょうか。
 私自身、ゴールドプラン以来高齢者建築の仕事で施設に関わってきた関係も有り、北欧やオーストラリアなど先進地の状況も少しは勉強をしてきましたが、日本ほど急速に高齢化が進んでいる国は、無いように思います。

 又、日本の慣習や教育に今までの在り方が、介護制度に大きく影響を与えているとも思います。介護保険開始前に、有料老人ホームで日本一安いとNHK「未来派宣言」で放送された鹿児島県の枕崎市近郊の老人ホームを見に行きました。そこで理事長(施設長)と話しをした時に、「5年間静観してそれから何をするか考える」と言われてました。5年の実績が今後どう展開するか、高齢者を2人抱える家族として真剣に見ていきたいと思います。

 男女共同参画社会への転換を進める国の意向が、生活習慣や地域の慣習にも意識改革を起こさないと介護の分野でも家庭への負担は軽くはならないように感じます。
 重要なのは、家族の思いが伝わる介護が出きればと思います。夫婦でお互いを支え合う、共同参画社会へ市民の意識が変わることが一番大事のようです。施設を利用するもよし、家庭で介護するもよし、その家族に合った介護の在り方を選択できるようになるのが願いです。江村氏の言葉で、「笑顔がでるような老人がたくさん居るのが望みです。」とも話されています。

「夫のかわりはおりまへん」「妻のかわりはおりまへん」「私のかわりはおりまへん」良い言葉と思います。

そんな風に人生を送れたらと願っています。
中年まっただ中の 野口でした。

*参考資料:元高槻市長の江村利雄氏著書「夫のかわりはおりまへん」  

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:13Comments(0)社会問題

地方は地方で、まちづくり、社会保障を考える

2007年11月01日

・地方は地方で、まちづくり、社会保障を考える

 地域を応援する地方市民の意識と地方行政の政策意識との差が、社会の変改に対応できない行政の原因ではないかと思います。国の業務の代理が多すぎて、本来に市民のニーズの政策提言がおろそかになっています。市民の意識の高まりと要望に比べて、権限以上が進まず有能が地方職員が埋もれている現実もあるように思います。本来の政策立案と市民とパートナーシップを組む事業の思考を転換して市民と共に地域を活性化し、住みよい町に創ることと思います。

 地方は、地方でと国・県は言いながら財源も権限も移さずがんばれでは地方市民はやって行けません。また、議会活動の停滞は、市民の責任でもあります。市民意識の平均以上の議員は生まれませんと言われたことを思いますと地方行政は市民の参加意識の濃淡と行動にあります。

 日頃から意見・異見が出る(出せる)ような社会づくりと行政にシステム・人材の育成が地方社会自体に求められているように感じています。


・次世代では、地域主権と市民参加

 そのような中で地方行政も国の出先のしての機能から、地域主権の次世代では独自の政策立案と 実行及び検証ができる人材に確保が行政に求められています。また市民の側にも大きな責任があり ます。
 日本の地域は南北に長く様々歴史を持文化を持っています。地方と都市、九州でも南北で大きな歴史の違いと産業の営みがあります。行政の政策立案への市民の意見と市民独自政策立案のために公開のシンポジウム、講演会、検証から裏打ちされた報告・提案と、また議会活動の検証(議会の傍聴、議員の公約の検証、議員の通信簿付け等々)、市民ネットワークと他の地域との情報交換・連 係が今後の市民参加型行政の構築に不可欠です。

 例とすれば、市民懇話会や審議会が、今まで充て職で運営されていたことへの批判と検証、懇話会・審議会の審議を市民公開で開催したり、行政トップや議会トップと市民団体グループとの日常の情報交換と市民への報告等々が今後重視されていきます。市民の教育水準に高さと感心と国際化、制度の行く詰まりから国からの権限の移譲もあり、行政の在り方を勉強し意見を言わないと行けない時代に来ています。

 少子高齢化、男女共同参画、ベンチャー育成、構造改革、国際交流、地域活性化街づくり会議(TMO)、町村合併、議会活性化、議会の検証、オンブズマン、教育改革、環境保全、新エネルギー・自然エネルギーへの移行、行政作業の民間移行、地域の殖産工業等々、市民の声をいかに行政へ伝えて市民(生活者)が 求める社会作りへ志有る人から積極的に参加することと思います。
 
しかし、市民のレベル以上の行政も議会も生まれないと先輩からよく聞きます。行政の怠慢、議員の消極的活動を認めている社会が現実にあります。まず、市民の意識変えることアピールすることが大事です。さらに行動を続けること最も大事です。まず、身近な気づきから行動し仲間を作って継続することが市民としての役割にあります。

*2003.08.12 野口の日曜メール №8 より  

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:36Comments(0)政治問題(地方)