東電「工程表」、大幅見直しへ。解決に、ビジョンと牽引力必要。

2011年05月14日

東電「工程表」、大幅見直しへ。解決に、ビジョンと牽引力必要。

■東電「工程表」、大幅見直しへ=核燃料溶融でデータ再検証-福島第1原発
(時事通信社 - 05月13日 20:03)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1600807&media_id=4

> 東京電力福島第1原発事故で、1号機原子炉圧力容器内の冷却水が予想より少なく、溶けた核燃料が容器底部に落ちた可能性が水位計再調整の結果判明したことを受け、細野豪志首相補佐官は13日、政府・東電統合対策室の記者会見で、「計測できた数値が信頼できるか、1~4号機すべてを調べ直す必要がある」と述べ、各原子炉などの現況を再検証し、事故収束に向けた工程表を大幅に見直す方針を明らかにした。

> 細野補佐官は1号機について、「圧力容器内に水がある程度あって、炉心もここまでの状況ではないと思っていた。認識が甘かった」と謝罪。「計器類を調べ直し、信頼できるものに基づくとどうなのかを分かりやすい形で明確にする」と述べた。その上で、公表から1カ月目の17日に更新する工程表について、「あと数日ですべてのデータを検証できないが、できるところはやって新たな認識で作る必要がある」と強調した。

だんだん全容が分かって来た気がします。
工程表、そもそも全ての状況が分からないと、工程表なる予想も不可能ではと思っていた。鋼(はがね)容器の中にある核融合炉の中心の様子が、そう簡単に分かるのだろうかと思っていました。

私は、原子力発電の知識はありませんが、東電のトップが現地で陣頭指揮を出来ないような現場で、本当の決定が出来ているのだろうと考えます。「現場は、○○の状況です」とか、「数値は、この程度に落ちたと思います」では、国民への説得力は、落ちます。

昨日、人を待つ間に読んでいた孫正義氏とのジャーナリストとの対談の本「決闘ネット「光の道」革命」に次の一節がありました。

<以下、転載>

(佐々木) ビジョンを言うのは誰にでもできるんですよ。

(孫) いや、誰にでもできるわけじゃないよ。

(佐々木) いや、できますよ。僕だって言えますもん。でもそれじゃあ空中戦になってしまう。いままでそんな空中戦ばかりだったから、もうそんなことを言っていてもしかたがない、もう少しきちんと積み上げて議論をして、プロセスを作る、そこでどう突破口を見出すかという戦略を練る時期に来ていると思います。

(孫) ビジョンとは、誰かが腹をくくって多くの人を巻き込んで、「事を成す」という志で、実現するためなら命を懸けるぐらいの情熱をもってやれば、一歩一歩、世の中は改革できると僕は思っている。(中略)
 そういう意味で、新しい、高い志のビジョンを掲げて、問題点があればみんなで解決していけばいいんじゃないかと思います。(中略)

(孫) いろんな問題があるのはわかりますよ。わからず屋は常に世の中にいっぱいいるから。先生と呼ばれる人の中には頭の固い人もいるし――だけどね、僕が思うには、それでみんながあきらめたら、絶対世の中はよくならんのですよ。
 (以上、「決闘ネット「光の道」革命」より)

 さすがに、孫正義氏だなと思います。これは、遅れを取っている日本のインターネットのインフラ整備のビジョンを、孫氏が語ったものです。

 なんで、福島原発問題と光通信かですが、福島原発の解決にリーダーシップと、国家安全保障の観点から、国民への理解にビジョンが必要ですし、トップの率先垂範の解決姿勢が必要な気がしています。

 また、日本の今後のエネルギー政策の方針「次世代エネルギービジョン」を早く打ち出すことも政府が行う重要な仕事と思います。

>ビジョンとは、誰かが腹をくくって多くの人を巻き込んで、「事を成す」という志、実現するためなら命を懸けるぐらいの情熱

今、東電の必要なものは、問題解決に取り組む姿勢が問われていると思います。兎に角、現状を精査し、問題解決のビジョンが必要と思います。合議倒ればかりだと、国民の信頼回復はあり得ません。

東電、頑張れ。そして、早くの福島県民の方々に、生きるビジョンが描ける状況を作って欲しいと思います。

*参考資料:孫正義VS佐々木俊尚対談禄『決闘ネット「光の道」革命』
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 08:45Comments(0)東日本大震災