士は己を知る者のために死す 

2009年03月23日

士は己を知る者のために死す 

 武士道の話ではと思いますが、これは中国の古い時代のエピソードです。

(本文より、抜粋)
 中国の春秋時代に、予譲という男が、晋の重臣の知伯の仕えて重用された。やがて知伯は、政的の趙の襄子に亡ぼされる。この時に、予譲が復習を誓った言葉が、

「士は己を知る者のために死す、女は己を愛する者のために化粧をする。主君の怨みは必ず晴らすぞ」

と山中に逃れたが、苦心の甲斐もなく捕らえられた。襄子が、予譲にたずねた、

「おまえは、ほかにも仕えたことがあるのに、どうして知伯のためにだけ仇を討とうとするか?」

予譲はこう答えたという。

「ほかにも仕えたことは仕えたが、待遇は十人並みだった。だから十人並みに報いた。だが、知伯は、国士として遇してくれた。だから私も国士として報いるのだ」

このエピソードは、部下の心情を理解し、それを態度で示すことが相手のやる気を引き出すカギになることを教えているように思う。
  (以上、「中国古典一日一話」)

 何時の時代も、リーダーと部下の関係は、技量に見合う地位を与えてか、そしてどう制しているかのかかっていると思います。

 「国士無双」という言葉があります。元はマージャン用語ではなく、「国士」とは、国を背負って立つような大人物のこと。「無双」は、二人と居ない、と言う意味。予譲は、この国士として認めてくれた知伯の恩に、報いたかったのだと思います。

 私は、今年、熊本が生んだ幕末の政治思想家の横井小楠生誕200年記念事業の事務局長をしていますが、17年前横井小楠の顕彰活動をしていた教授に出会い、小楠の思想を学び、維新の志士たちのことを知りました。
 記念事業が、190年、195年と実施され、200年の事務局は私がするようになるだろうと思い、小楠のことを深く勉強するように準備して来ました。

 私の社会活動の原点とも言える横井小楠の理念「大義を四海に 布かんのみ」を知り、それが縁で広がった現代の有志のネットワークに感謝し、今回の役目を懸命に努めたいと思っています。事業の催し物が近付きましたら、ご案内をいたします。

*参考資料:『戦国策』~守屋洋編著「中国古典一日一話」
  

Posted by ノグチ(noguchi) at 18:20Comments(1)名言・スピーチ・訓示・他

「フード・マイレージ」の考えを、木材利用にも導入すべき

2009年03月23日



「フード・マイレージ」の考えを、木材利用にも導入すべき

 今春から、熊本県内の教育に、「フード・マイレージ」の考え方を教えると、NHKの朝のニュースで話していた。フードマイレージの考え方は、20年近い以前から先進的な研究者が語っていたが、世界不況、世界人口の増大の懸念から、国民の中に食の安全保障の「危機感」が募って来ているのだと思います。

 環境保全の協定「京都議定書」の実現が、叫ばれてはいるが、なかなか目標の数値には届いていない。この京都議定書のCO2の削減の数値に、輸入に伴う船舶のエネルギー使用料は加算されていません。ヨーロッパは、京都議定書の後の協定に、この輸送の使用される燃料もCO2の削減数値に盛り込もうとしています。

 日本は、輸出輸入に使用する船舶燃料の世界最大の使用国で、貨物と距離を掛けあわせる数値で、世界の4割近くを占めます。この貨物と距離を、食物と距離にしたのが、「フード・マイレージ」です。膨大な化石燃料を使い、海外から多くの食料を輸入している考えるだけでも、京都議定書後の環境保全協定の目標値30%削減には、近づけないと思います。

 また、木材に関しても、日本は戦前から世界最大に木材輸入国で、戦後の高度成長期には、膨大な量の木材を輸入に頼り、国内の森林が使われなくなり、荒れた山々が広がっています。木材の重さに、距離を掛けたものが「ウッド・マイレージ」で、この輸入分野では、ダントツの世界一が日本です。

 南洋材の伐採が「温暖化防止」もあり、規制が厳しくなる中、ロシアやカナダの木材の伐採が進んでいると言います。その影響で、アムール・トラの生息場所は、保護区を作らないといけない状況をあると聞きます。

 この木材に占める国産材の使用率を上げることと、京都議定書後の地球温暖化対策に、「ウッド・マイレージ」の導入が必要と思います。そして、早い時期に教育の中で、この考え方を教える必要を感じています。

 今回、教育の中で教えるフード・マイレージが、ウッド・マイレージ、さらにエネルギー・マイレージ、と広がって行くと良いなと思っています。
 日本は、水、森林、自然が、世界に類を見ない豊富な島国です。水も、木も、自然エネルギーも、国内のものを利用して生活・経済を維持できる仕組みに、転換してして行きたいですね。  

Posted by ノグチ(noguchi) at 08:53Comments(0)私の意見