(秀吉の一夜塀)やる気の動機付け3条件「目的、貢献度、評価」

2009年03月15日

(秀吉の一夜塀)やる気の動機付け3条件「目的、貢献度、評価」

 組織で仕事をする中で中間管理職の悩みは、時代はちがえど悩みは同じ事が重なる。織田信長がまだ清洲城の城主だったころの話です。駆け出しの木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)が、台風で壊れた城の塀を一晩で建て替えたエピソード。

 前任の奉行は、工事をやる職人に台風で城下が忙しいので、工賃を上げて欲しいと難題突きつけられ工事が始められないと、信長に直訴(言い訳)した。そこで、信長は、中間管理職になったばかりの木下藤吉郎に、担当を替えた。前任の奉行は、「新参のおまえにできるはずがない」と皮肉を言った。
 
 さっそく工事現場に職人を集めて次のように語った。(以下、童門冬ニ著「将の器、参謀の器」より抜粋)

(本文)
「おれ(藤吉郎)は全くの素人で、こういう工事は分からない。全部お前たちに任せる。ただし、工事を10組に分けて担当を決めて修理してもらいたい。職人の配分もお前たちに任せる。

 それと、塀を早く直さないと、敵が攻めてくる。オレたちは男らだから戦うが、女子供はそうはいかない。城内の女子供は、戦に負ければ敵の奴隷か殺される。お前たちは、自分の女房や子供がそんな目に遭っても平気か? この塀の修理は、一日もないがしろにできない、いいな?」 

 十組が決ったことを報告に、藤吉郎の所に職人の代表が行くと、今度は、
「今日は、それまでにして、酒でも飲んで景気付けをしろ。それと、一番最初に工事を終えた組には、信長様が褒美を出す」(中略)


 このエピソードは、有名な出来事。一晩で塀の修理が終わった。

 これは、堂門冬ニ氏は、次の言葉で職人の意識を表現していた。「ニギリメシとオカユ」の論理、

・おカユ
 おカユは、組織の悪習で自分を失っている。何でも自分の意志がなく、人のいいなり。自分の大切なものは、吸い取られる。

・ニギリメシ
 ニギリメシの米粒は違う、一粒一粒、自分を主張している。しかし、それぞれが好き勝手なことをして良いというわけではない。組織のルールを守り、秩序に従うこと。

 さて、清洲城の塀の修理の組は、どう選んだか。藤吉郎は、気の合う仲間で組を作れと言ったが、そんなにうまく行かない。そこで、組も工事箇所も「くじ引き」にした。

 更におまけの「信長の褒美」は、職人たちは半分は、藤吉郎を信用していなかったが、本当に信長を連れてきて一番組みに褒美を出した。そこで職人たちが取った行動は、みんなで苦労して同じ工事だから、全員に分配した」、秀吉の人心掌握の上手さと思います。

 では、何で一晩か? 
 10組の組織、10ヶ所の工事担当を決めて代表が、藤吉郎に報告に行くと、景気付けに酒を振る舞うのですが、半信半疑ではあるが「一番には信長の褒美」が気になって、おちおち酒は飲めない。抜け駆けして深夜から工事をする組が居ないか、みな心配で仕方がない。

 だから全員が一晩で仕上げる結果(行動)を生んだ。

 この成果は、組織の末端に対して、リーダーの意識付けが上手くいった出来事と思います。ではその三つの意識付けとは何か

 目的:自分は何のためにこの仕事をしているのか?
 貢献:自分のやった仕事は、どれだけ組織あるいは社会に対して役に立ったか?
 評価:その仕事を、組織はどういう評価をしてくれたか?

何時の時代も人の心は、そう変らないのだと知らされます。新しいビジネス書も良いですが、歴史上のリーダーの智恵を学ぶことも、けっこう役に立つものです。

*参考資料:童門冬ニ著「将の器 参謀の器」~あなたはどちらの才覚を持っているか~


<昨日の日記>
・(デートDV)携帯電話に潜む、人権侵害の危険

・(新聞事情)新聞離れは“夕刊離れ”のこと?。朝刊の購読者(66.9%)

  

Posted by ノグチ(noguchi) at 08:36Comments(0)私の意見

(デートDV)携帯電話に潜む、人権侵害の危険

2009年03月15日

(デートDV)携帯電話に潜む、人権侵害の危険

 親密な男女で起る暴力DV(ドメスティック・バイオレンス)は、中高校生に関係ないと思っている人が多いと思う。

 しかし交際が始まれば、誰もがDVの被害者・加害者になる可能性があります。DVは暴力だけでなく、精神的なもDVもあります。交際が深まると互いの興味や、どんな異性の友人がいるか知りたくなるものです。そこに人権を侵す可能性があります。

 例えば、異性からのメールを度々チェック、異性のアドレスを調べたり、削除したり、される方は気分良くありません。その時に問題なのが、被害を受ける側の思い込みです。

「いずれそんな行為はなくなる」
「自分にも悪いところが」
「嫌いになったらすぐ別れられる」。

 また、携帯電話は便利な道具ですが、「常につながっている」感覚を持ちます。それが次のような要求になり、直ぐ電話に出ることや直ぐにメールの返信を要求し、更にエスカレートすると異性に対して、異性との電話やメールの禁止、異性のメールアドレスを消去などを要求します。

 周りは「酷いよね(人権侵害)」と忠告しますが、約4割はDVの状況のまま交際を続けているのが現実と聞きます。

 解決するには、誰かに相談する事です。現実には、親、友人、先生に相談できず、DV被害者は苦しんでいます。「自分さえ我慢すればやって行ける」という気持ちは間違いです。互いを思いやり、高め合う交際こそ幸せになります。

 男であれ、女であれ、友人同士も、互いを思いやる交際(交友)であって欲しいと願っています。

*DV(ドメステック・バイオレンスの略称)
    女性(異性、弱者)に対する、身体的、精神的暴力(暴言、誹謗中傷)  

Posted by ノグチ(noguchi) at 01:18Comments(0)私の意見