形よりも心が大事 ~小沢党首献金疑惑で思う~

2009年03月06日

形よりも心が大事 ~小沢党首献金疑惑で思う~

 数日前から、政治献金の方法の見解で、小沢氏と検察のやり取りが報道されているが、本来の政治献金とは、小額のもので、見返りを求めず、社会を改善するために働く政治家を応援するものではないかと思う。(実際には、そうとも言えない事例が多いが・・)

 戦前・戦中・戦後と政治家をとして長く活動した尾崎行雄氏の選挙語録に、上記の主旨の言葉があったように思います。


■(国沢容疑者)「おれを信じろ」、部下の懸念を退け偽装献金を続けた
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=769805&media_id=4

>部下からダミーの政治団体について懸念を示されたものの、「おれを信じろ」と退け、小沢氏ら与野党幹部側に同団体を通じた偽装献金を続けていたことが6日、同社関係者の話で分かった。国沢容疑者は調べに容疑を認めており、東京地検特捜部は偽装献金を始めた経緯についても調べている。


 今日の新聞を読んだのですが、「見返りを求めないが、競争に入ってこれない雰囲気を作るために献金していた」とあった。入札妨害しなくても、似たような効果が得られたのではないかと思います。

 要は、外からの形式(政治献金の規制法)は守っているが、元金がどこからどんな方法で出ているかが問題と思います。今の社会は、色々の分野で、はげしい競争があります。世間に知れないように、法の網をすり抜ける「策」を講じることが、良心に反している、いないと思うのは、やはり実行する本人の価値観と思います。

中国故事に、「四知」の教示があります。

(抜粋)
 赴任してきた新しい高官の自宅に、深夜、贈り物(賄賂)を持って来た者に、その高官は、「天知る、地知る、君知る、我知る」と諭した。贈り物を持って来た者は、恥じ入って帰った。(中略)

 今回の西松建設の献金ルートには、多くの社員、OBが関わっています。一人ひとりに、良心があります。必ずどこからか、漏れるものです。楽に「利」を得ようと思うことが悪いとは言いませんが、法を曲げて、多くの人を巻き込んだ今回の疑惑は、企業のリーダーとして立派な行為には見えません。

また、西松建設の献金ルートを利用して、請求書まで送りつけた秘書の行為も、立派な行為とは思えません。

 今回の疑惑を契機に、「この人を応援したい」と思うような政治家を、市民の有志が集まり、草の根運動から押し上げるような気運が上がると良いなと思います。

 菜根譚に、次の言葉があります。孔子は政治的リーダー「君子」を育てる学問を推奨した方ですが、今回の疑惑の方々に聞かせたいですね。

(現代語訳)
一字(いちじ)も知らざる、而(しか)も詩意(しい)有(あ)る者(もの)は、詩家(しか)の真趣を得る。
一偈(いちげ)も参(さんぜ)に、而(しか)も禅味(ぜんみ)有(あ)る者は、禅教(ぜんきょう)の玄機(げんき)を悟(さと)る。

(解 説)
 読み書きはできなくても、詩心さえあれば、詩の真髄にふれることができる。
偈はまったくしらなくても、禅味さえあれば、禅の奥義を悟ることができる。

 孔子も、「礼、礼と人はよくいうが、儀式をかざりたてるだけが礼ではない。音楽、音楽と人はよくいうが、楽器を鳴らすだけが音楽ではない」(『論語』)と、形式よりも心の大事なことを指摘している。(中略)

 今回の献金疑惑、礼(法)、形(仕組み)は、守っていると言うが、肝心の「心(良心)」はどうかが、問われているように思います。

何時の時代も変らない「人の道」は、形よりも心が大事なように思います。

*参考資料:守屋洋編著「新釈 菜根譚」


  

Posted by ノグチ(noguchi) at 12:03Comments(0)私の意見