世界の食糧危機と、日本の食料自給率

2008年04月04日

世界の食糧危機と、日本の食料自給率

 最近の中国の発展は、中国を食料輸出国から輸入国へなり、食品携帯も欧米型へ変化しつつあります。1996年の世界食料サミットで、目標を「2015年までに世界8億人の栄養不足を半減させる」とした。

 しかし現実は、1990年代後半から、逆に毎年400万人のペースで増え続けている。この飢餓状況は、食料そのものの不足ではない。今日まで、世界の穀物の生産量と消費量はともに増加しながらほぼ均衡しているという。飢餓人口の増加じゃ、食料の枯渇でなく、経済格差によるものが原因のようです


 ただ、東南アジア、中近東の経済発展に伴い、西洋型の肉食人口が増えて来ています。このまま増えると、2015年に世界人口72億人と言われますが、不足することになるとデーターが出ています。

 例えば、豚肉1kgを生産するためには7kgの穀物が必要です。牛肉1kgだと、11kgの穀物が必要になります。畜産が増えると、穀物が足りなくなる事態になります。

 更に申告な時代が、農地の砂漠化があります。年々500万ヘクタールずつ砂漠化している。日本の耕地面積を上回る広さに相当します。

 海に目を向けるとその現状は、危機的状況を呈しています。1950年2000万トンから右肩上がりで上昇を続け、1990年以降9000万トン(中国を除く)で頭打ちで、減少傾向の地域も出てきています。
 世界の漁場で、再生可能な漁獲が行われている地域は、25%程度に過ぎないといわれています。65%は横ばいか減少傾向、10%が既に枯渇状態にある資料もあります。悪化の傾向が強まっています。

 上記のことから、日本の食糧自給率40%以下の状況が、ノーマルと思っていると、突然食料が止まることもありえる状況を思います。
 中国ギョーザの農薬混入問題以来、農業自給率の問題に国民が注文を出し始めています。しかし、地方の農地を見ていると、都市近郊は住宅地に、中山間地は後継者不足で、農地の減少が著しくなって来ているように思います。

 食料自給率を上げるには、もっと農業生産者を評価する国の政策と、教育の中での食料の重要性を教えることが必要と思います。


・エコロジカル・フットプリント

 人類が消費している資源を生産し、また排出している(二酸化炭素などの)排出物を吸収するのに必要な土地及び水の面積を測定する資源管理ツールである(現在の技術を前提にしている)

 1980年代後半、世界の人々が出す排出物を浄化するエコロジカル・フットプリントの限界点を越えたと言われています。日本人は、世界人口から割り出した一人当たりの農地1.8haの2.44倍、4.4haを占有する量の食料で生活しています。

 21世紀前半、日本社会は、世界の農地の枯渇、人口増加から考えて、食料自給率を高めることはもちろんですが、飽食の見直しも必要な気がします。先進国の肥満傾向からも、肉食から植物食物を好むような、民意の誘導が必要な気がしています。

*参考資料
 1.文芸春秋「日本の論点」編集部、『10年後の日本』
 2.持続可能な農業に関する調査プロジェクト『本来の農業への道』


<以前の日記>
・トルコに感謝、(続)日本「世界に良い影響」、独と並びトップ

・日本「世界に良い影響」、独と並びトップ…BBC・読売調査

  

Posted by ノグチ(noguchi) at 18:17Comments(0)国際関係

トルコに感謝、(続)日本「世界に良い影響」、独と並びトップ

2008年04月04日

トルコに感謝、(続)日本「世界に良い影響」、独と並びトップ

 友人からの書き込みが、すばらしいのでご紹介します。世界50ヶ国近くを旅し、沢山の友人をお持ち方です。でもなぜか出会いは、幕末の政治思想家、横井小楠がご縁で、以来情報交換をしています。



・たっちゃん様の書き込み

フィンランドに旅行した時には、東郷平八郎・山本五十六の肖像の入ったビールを見かけました。この国も親日といわれています。

トルコを世界最高の親日国とすれば、インドは掛け値なしに世界最大の親日国と思います。
反日といわれる韓国ですが、韓国人にアンケートをとると最も好きな国はスイスだそうです。これはイメージ先行でしょう。
日本人に親切な人に結構多く会いました。



・たっちゃん様 の書き込み

1985年のイラン・イラク戦争の際にはトルコとの間で次のようなこともありました。素直に感動してしまいます。

イラクのサダム・フセインが、「今から四十八時間後に、イランの上空を飛ぶすべての飛行機を撃ち落とす」
と、無茶苦茶なことを世界に向けて発信した。

日本からは企業の人たちやその家族が、イランに住んでいた。
その日本人たちは、あわててテヘラン空港に向かった。しかし、どの飛行機も満席で乗ることができなかった。
世界各国は自国の救援機を出して、救出していた。
日本政府は素早い決定ができなかった。空港にいた日本人はパニック状態になっていた。
そこに、二機の飛行機が到着した。トルコ航空の飛行機であった。
日本人二百十五名全員を乗せて、成田に向けて飛び立った。
タイムリミットの一時間十五分前であった。

なぜトルコ航空機が来てくれたのか、日本政府もマスコミも知らなかった。
前・駐日トルコ大使、ネジアティ・ウトカン氏は、次のように語られ。
「エルトゥールル号の事故に際し、大島の人たちや日本人がなしてくださった献身的な救助活動を、今もトルコの人たちは忘れていません。
私も小学生のころ、歴史教科書で学びました。トルコでは、子どもたちさえエルトゥールル号のことを知っています。
今の日本人が知らないだけです。
それで、テヘランで困っている日本人を助けようと、トルコ航空機が飛んだのです。
(以上、昨日の日記への書き込み)


今も、同じですが、日本政府の決断力のなさ、邦人を迅速に助けることをできなかった責任は、今でもあると思っています。

今も、ガソリン税問題で、右往左往しています。これから国をどう導くのか、与党も野党も、先導者として資質が問われていると思います。


<昨日の日記>
日本「世界に良い影響」、独と並びトップ…BBC・読売調査


追伸:思い出したことを書きます。

エルトゥールル号の助かった人たちを、トルコまで送った海軍は、若き東郷平八郎たちだったそうです。




   

Posted by ノグチ(noguchi) at 07:24Comments(0)国際関係