「親に仕え、自らを鍛え、人を育てる」なかなかできるようでできない先人の訓示。

2014年06月24日

「親に仕え、自らを鍛え、人を育てる」なかなかできるようでできない先人の訓示。

おはようございます。今日の朝ウォーキングは、宇土半島の峠越えコースを歩き、自宅から峠までの往復6.5km高低差200m近くにある坂道で、登り切ると汗が滲んで来ます。帰りの下りは、木々の中でさえずる小鳥たちの声を聞きながら歩き、森林浴気分でさっさと帰って来ます。

汗を流して、開いた本は江戸期後半の教育に大きな影響を与えた佐藤一斎の訓示録『言志四録』から言志後録の第244訓で、「孟子三楽」。

【現代語訳】
孟子は、君子の三つの楽しみを挙げている。第一の楽として、親に仕えることを説いている。これは少年時代のことのようである。第二の楽としては、自己を完成させることを説いている。これは中年時代のことのようである。第三の楽としては、人物を養成することを説いている。これは老年時代のことのようである。私は自ら顧みてこう思った。「自分は既にとしをとってしまった。親兄弟はみんな没している。何の楽しみがあるだろうか」と。
(以上、『佐藤一斎一日一言』より)

人間、第一、第二の楽は、自らのことであるから実行できるにであるが、第三の人物を養うことに関しては、自分から地位を後輩へ譲り、人を育てる指導に徹することができるか? これが、私利私欲が働き、人育てができないリーダーを多く見受けます。

この訓示の解説に最後に、

「英才の教育は、もとより私が容易にできることではないが、精一杯尽力しなければならない」

あの佐藤一斎も、こう悩んでいる。人材育成は、先輩諸氏が協力し、次世代のリーダーを育成する地域力の現れではないかと最近感じます。リーダーとは、太陽のような存在で、いつの間にか恩恵を受けている。だから市民は、いざ事が起こると地域のために懸命に働く。

「孟子の三楽」

なかなかできない大人の生き方と思います。佐藤一斎は、「少年から老年に至るまで(三楽)を受け用いるべきことで、慎んでこれを守り、朝から晩まで忘れてはいけない」とありました。三楽は、生涯をかけて取り組む自分を鍛える本筋のように思います。

親に仕え、自らを鍛え、人を育てる。

なかなかできるようでできない、先人の訓示です。定例議会も終わり、日常に戻りますが、「三楽」を常に心に置き、活動を続けることが大事と思った朝です。


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