「人の欠点をあげつらうのは、自分に徳がないから」〜徳ある人が得する〜

2014年05月01日

「人の欠点をあげつらうのは、自分に徳がないから」〜徳ある人が得する〜

朝の山林の草刈り終えて、汗を流して朝食。連休から始まる我が家の夏の日課です。3日もすれば、身体もだんだん慣れて来ますが、夏季に2回、延べ2ヶ月かかる山林、畑の草刈り、田舎の風景はそんな地道な作業によって保たれているのかもしれません。

さて、朝読書『人生の問題がすっと解決する 名僧の一言』で、幕末に福岡にいた名僧の話に感動しました。以下、本から引用。

浄土真宗本願寺派の七里恒順(しちりごうじゅん)は、30代で福岡県の万行寺の住職となった。恒順住職は、寺に泥棒に入った男を出納係にした。総代たちは猛反対したが、強引に押し切った。しかし困ったのは出納係を任された当人(元泥棒)です。毎日、賽銭や布施を預けられ、誰も見ていない部屋で金勘定をしなければいけません。
盗みというのは癖ですから、その気持ちを抑える毎日が苦行です。住職が自分を信じてくれているだけに、苦しみは大きかったと思います。結局その出納係は、死ぬまで一文のお金も間違わずに万行寺でつとめあげたとありました。元泥棒の出納係は、とうとう自分の欠点(盗み癖)勝ったのです。この欠点の克服できたのは、住職が出納係を信じてくれたから、とありました。

末尾に太字で書かれていたのが、

「人の欠点あげつらうのは、自分に徳がないからです」

加えて、人を信じて包み込む。そうすれば人間関係はおのずとラクになるもの、とありました。

この項のテーマは

結局は「徳ある人」が「得する人」なのです。

この言葉の元となった鎌倉初期の華厳宗の僧、明恵の言葉は、

「人のあやまちをいうひどのものは、わが身に徳なき折りのことなり。徳というは得なりとて、徳を好む人にあるなり」

本の解説は、

「人の過ちや欠点をあげつらう人は、自分自身に徳がない人だ。徳とは“得”と書き、人間らしさのことですから、“得”を得るのは、人間らしさを好む人である」ということですね。徳とは善い行いのことですが、広い意味で「人を助ける気持ち」ととらえると良いでしょう。
(以上、本より引用)

人を助ける気持ち、人のお世話をする気持ち、熊本弁では「世話役(せわやき)」ですが、良い意味の人のお世話をする行いを、厚かましくなく、求めに合わせて対応をすることが大事と思いました。泥棒を出納係にすることは、一般人には難しい器量と思いますが、人を信じて任せることはとても大事な人としての行い、と再確認します。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 09:55│Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他
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