転機と応機、に全神経をつかえ。事の発端に「兆候」がある。

2014年03月07日

転機と応機、に全神経をつかえ。事の発端に「兆候」がある。

おはようございます。本日は、早く目覚めたのでゆっくりと考える時間が持てました。

誰がやったか? 成果を強調する人がいる。

人間、タイミングがある。

20年、30年、あるいは50年過ぎてから評価される仕事がある。中には、100年、200年過ぎないと理解できない史実がある。時間のかかる評価の対象は、成果ではなくて人間そのものの価値も問われる。子孫の世代に、自分の事業が評価されることを忘れてはいけない。物事には、機が熟すタイミングがある。 私は、「機運」という言葉を注目しています。

坂井昌彦著『佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強』にある、『重職心得箇条』の第5条に、

「応機と云う事あり肝要也。物事何によらず後の機は前に見ゆるもの也。其機の動き方を察して、是に従うべし。物に拘りたる時は、後に及んでとんと行き支えて難渋あるもの也」

江戸時代後期の言葉なので、分りづらいが、とても深い教示を含んでいます。今風に訳すと、(以下、解説文を転載)

物事すべてにわたって、「機に応じる」ことは大事なことである。「機」とは、事が起こる細かい噛み合わせ、「きっかけ」「兆候」である。後に起きることの「機」の動きを敏感に察知して、それに反応しなくてはならない。
物にこだわりを持つと、せっかくの「機」をつかみ損なって難渋し、みすみす苦労するることになる。重職たるもの、機に敏なるべし。
(以上、『重職心得箇条』より)

大きな出来事には、事前にさまざまな変化(兆候)が起こっている。それに関心を持つか、持たないか、で後で起こる問題の対応がだいぶ変わってくる。

>「機」の動きを敏感に察知して、それに反応しなくてはならない。

電通の社訓『鬼十則』にも、全方位へ関心を持ち続ける意味の訓示がある。社会への関心、特に変化に対して敏感であることを強調しています。地域を二分する議論がある時、リーダーたちの知恵を集結し、「機」の動きを関わる人々が敏感に感じ考え、後の対応へ準備を怠らない。

これは、組織だけでなく、個人の人生にも起こりうる事件への備えでもあります。「機」は、自分を取り巻く人々の思いの現れ。自分の行動力を振り返り、自分の周りで起こる「兆候」を冷静に分析し、様々に手を打つことを怠ってはいけない。また、後に起こる「機(事)」に対応してくれるのも、自分を取り巻く人々です。

人間関係の構築には、真摯に周りの方々と向き合う生き方が大事と思います。特に短な家族、親戚から始めなければいけないと、つくづく感じています。

一人ひとりが、風ない湖面に石を落とし起こる波のように、常に周りへ影響を与える。重なり(せめぎ)合う波のように、人々の思いは互いに影響し合っている。似たような思い(要望)が重なると大きなさざ波となる。大きくなる前に、手を打つ。これこそ、大人の努めではないかと、最近思っています。

全神経を使い、機の変化にに応じる。必ず、事の発端には「兆候」がある。

社会への関心を持ち続けること学ぶ、そんな1日にしたいと思います。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 05:14│Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他
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