〈松下幸之助談〉百人のうち十人は拗ねてヤル気をなくす

2012年11月06日

〈松下幸之助談〉百人のうち十人は拗ねてヤル気をなくすー集団心理ー

おはようございます。朝のウォーキングも、3ヶ月を超えました。5時起きも、だんだんと慣れて来た気がします。ただ、夜明けが遅くなり、気温も下がっています。

散歩中のラジオて、今年の新卒者の就職状況の報告があった。大中小の企業の募集は、大卒者の人数を越えたのに、実際は3割が就職をしていない。中小企業を好まない傾向が顕著に見えます。先日紹介した利益率20%以上を続ける超優良の中小企業の存在を知らない。大学の就職担当の足りなさを感じます。

朝の読書から、作家の谷沢永一著『嫉妬する人、される人』に、紹介された一節から、(以下、抜粋)

人間集団という取り扱いに注意を要する動く生き物は、何も手当をせずただ放っておくだけでも、若干の偏り歪み僻みの人間を生み出す。

幼稚園、学校、病院、会社等の組織で病弊が、百人のうち十人が拗ねてヤル気をなくす。これについて、経営の神様と言われた故松下幸之助氏の分析がある。

人材を選りすぐって百人を採用する。素直で真面目な人たちである。その百人を一つの職場に収容した。しばらくするとありえないはずの事態が現実に起こる。百人のうち十人がヤル気をなくし、拗ねてトゲトゲしくなって仕事をしなくなった。頽廃の気分は流行病の如きかと考え、やむおえず、その十人を外へ出して別へ移した。さあ、残り九十人は精鋭であるから、職場の活気はいや増すならんと期待していたら、しばらくすると、またその九十人のなかの九人か十人が、やはりヤル気をなくしてだらりといぎたなくサボるようになった。これは人間社会の法則みたいなもんでっさかいに、打つ手はおまへんなと、苦労人のおきなさは厳粛な表情で噺を締めくくった。
(以上、『嫉妬する人、嫉妬される人』より)

この社会病、集団病の治療法を、人類はまだ見つけ出していない。

特に日本人は、肩書に拘るように感じる。肩書は、人を変える。肩書=評価と読みかえると、先日の菊池省三氏の子どもたちを褒めて、褒めて、甦らせる手法は、人間の本性と向き合うやり方かも知れない。

本にも、肩書は人を変える。確実にその人の背丈を伸ばす。今までできなかったことが急にできるようになる人も珍しくない、とあった。谷沢氏は、人間を次のように分析している。

「人間は息をひきとるまで生涯をかけて、私を認めてくれ、私の認めてくれと、声泣き声で叫びつづける、可憐な生き物だと思われる」

時々、中国古典の『老子』を読むと、無欲がテーマにあるように思うが、しゃしゃり出て頭を叩かれないように、地道に評価を待ての教えのようにも思えます。皆さまの周りには、どんな方々が居られますか?少し、ゆとりのある時間に眺めて見るのも良いかもしれません。

本日も長い文になりました。お読み頂きありがとうございます。

※参考資料:谷沢永一著『嫉妬する人、嫉妬される人』


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Posted by ノグチ(noguchi) at 07:18│Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他
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