〈理解と感激〉理解していなければ「知識」といえない。

2012年08月14日

〈理解と感激〉理解していなければ「知識」といえない。

おはようございます。今朝は、雷の音で目がさめました。雨が降っています。

旧盆のお休みも2日目、ロンドンオリンピックが閉幕し、睡眠不足の応援生活が終わりました。お盆休み=甲子園、高校野球の試合に元気をもらう夏の1日です。

さて、いくつになっても学ぶことがたくさんあります。いくつになっても「知らない」と言える大人でいたい、と常々考えているのですが、つい、少々の読書で見た情報を、知っていると勘違いし、字面を紹介してしまうことが、多々あります。

幕末の志士で教育者の吉田松陰は、「知識は理解し、行動に起こしてこそ知識」と、松下村塾で説いていました。

最近思うに、色々な本を読みますが、体験したことしか理解ができていないと感じます。どんなに多読しても、自分の血肉になっていないものは、知っているとは言えないと思います。

「分かった!」

と感動する体験をしたことがあると思います。分かるまで考え続ける。分かるまであきらめない。だから、理解できると思います。

明治初期に書かれた『西国立志編』(中村正直著)は、イギリス人のサミュエル・スマイルズ著『Self-Help』を翻訳したものに、次のような文があります。

(以下、抜粋)
 けだし人、学識の位価(値打)は、読書の分量にあらずして、運用の慣熟なるにあり。このゆえに、学問博からずといえども、その知るところのもの、周密完全なれば、事実実行に施すに及んで、氾濫浮薄なる学問に比すれば、その用大いなることなり。(西国立志編・第11編の11)

この本を解説した、現代の作家の渡部昇一氏の『自分を動かせ』の一節が、これ!と思いました。

(以下、転載)
 ですから、知識を自分のものにするには、「そうなのか!」と思わず叫びたくなるほど「わかる」まで、突き詰めることです。
 私はこれを、「背筋がゾクゾクするほどの感動」といっているのですが、それが訪れない限りは、「理解した」とはいえません。(『自分を動かせ』より)

吉田松陰は、この感動した程理解した知識を実行しなければ、その意味を成さない、と教えています。「知識、見識、胆識」と先人たちも、悩み続け、考え続け、そした実行に移しています。

ネット社会になり、溢れる情報から確かな知識を見つける見識、それを実行に移す胆力(胆識)こそ最も大事と思います。さらに、実行したことを継続してこそ、社会で意味を成す、と考えてます。

知識を理解し、実行して、継続する。理解するだけでは、修己治人の実践にならない。知識、見識、胆識+継続、が大事と思っています。




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Posted by ノグチ(noguchi) at 05:58│Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他
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