〈交渉・抗争〉「希望的観測」を排除せよ!

2012年05月17日

〈交渉・抗争〉「希望的観測」を排除せよ!

事に当たるとき、みなさん成功することを確信して始めているとと思います。なかには、自分の利点だけを見て始める人もいるようですが、やはり石橋を叩くような、慎重さが必要と思います。

ただ、勢いも物事の実現には必要です。孔子の高弟の子路が、孔子に尋ねた「もし先生が大国の総司令官になられた時は、どんな人物を頼りにされますか」と、子路は「当然、おまえのような人物だよ」と答えを期待したが、孔子は次のように答えた。

「素手で虎に立ち向ったり、歩いて黄河を渡るたぐいの命知らずはごめんだね。むしろ、臆病なほど注意深く、成功率の高い周到綿密な計画を立てる人間のほうが頼りになるよ」

事を起こすには、情勢分析が大事だが、焦るあまり、
1.データ不足
2. 希望的観測
実は、我々も判断を形成する過程で、無意識の内に、同じような過ちを犯します。つい、不利な材料には目をつぶって、自分に都合のいいように解釈することが少なくない。

『孫子』も、こう語っている。
「智者ノ慮ハ必ズ利害ニ雑(マジ)ウ」
意味は、智者の判断には、常に「利と害」、つまりプラスとマイナスの両面を考慮する。

「三利アレバ、必ズ三患アリ」(『韓詩外伝』)
また、中国の戦国時代の思想家荀子も、
「勝ニ急シテ、敗ヲ忘ルルコトナカレ」

物事は、多面的に分析し、常に「利」と「害」から判断をすることが大事と思います。「急いては事を仕損じる」、石橋をたたいて渡る慎重さが必要と思います。

※参考資料:守屋洋著『男の器量、男のねうち


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Posted by ノグチ(noguchi) at 07:32│Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他
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