大震災を考える「一流の市民 三流の政治」

2011年12月27日

大震災を考える「一流の市民 三流の政治」

 今朝の地元紙に、今年の10大ニュースのトップは、もちろん東日本大震災だが、政府の対応の遅れや、担当大臣に失言を、糾弾している。

 被災者の方々が、寒波の中で、整然と並び、食料をもらう姿に、世界は尊敬の眼差しで見つめていた。一流の市民の高い評価を得たことは、阪神淡路大震災からも知られてはいたが、さらに日本人の素晴らしさが際立った気がします。
 反面、政府要人の失言に、内閣が揺らぐことが多々あり、政治の三流を、ニュースからも揶揄された1年だったように思います。

 記事は、リンカーンやチャーチルの人びとを、鼓舞し、前へ進もうとさせるような発言を例えに、日本のをリーダーたちへ、警鐘を鳴らしていると思う。

 毎年、有事は起る。東日本大震災のような国難とも言える大惨事は、なかなか起きないが、歴史の中には沢山の自然災害があった過去がある。明治維新の元勲の西郷隆盛は、庄内藩の若者たち語った講話録『西郷南州遺訓』 のなかで、政治の本質について語っています。

「政治とは、危機管理」

要は、有事になったときのため、何をすればよいか? 日ごろの備えと、いざという時の覚悟ということを語ったそうだ。この本のサブタイトルは、「無事は有事の如く、有事は無事の如く」 。無事は、今で言う平時(平常)のこと、有事は、今回震災含め国難の様々な大事件など。

 要するに、平和な日常から常に有事を想定し、歴史上の有事について学び、物質はもちろんですが、人材の育成、最も大切なのがリーダー自身の対応力の養成と思います。それが備わっていれば、有事が起きても冷静に、迅速に、先手、先手と時機に合わせた対処が可能になる。
 西郷隆盛の本のサブタイトルは、幕末に薩長が最初に対峙した「禁門の変(蛤御門の変)」で、長州側で陣頭指揮した久坂玄瑞の言動を検証し、西郷隆盛は、「久坂さんは、まるでお地蔵さんのようですな」 と語ったそうだ。銃弾の飛び交う陣中で、平然と本を読み、若い部下たち指示を出したとのこと。「無事は有事の如く、有事は無事の如く」は、トップの器量を表す言葉だった。

 政治家、企業家、多様な分野のリーダー含め、いざという時何をするか、平時から常に考え、準備を怠ってはならないと思います。

 来年は、「市民は一流、政治は三流」から、せめて「市民は一流、政治は二流」と言われるように、日頃から常に危機を想定し、リーダーたちは準備を怠らぬように、物心両面の「無事は有事の如く、有事は無事の如く」の志で、社会を指導して欲しいと願いたい。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 09:41│Comments(0)東日本大震災
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