<地震・雷・火事・火山>東北地方の大地震と大津波を予知・警告した明治の歴史学者、吉田東伍がいた。

2024年01月15日

<地震・雷・火事・火山>東北地方の大地震と大津波を予知・警告した明治の歴史学者、吉田東伍がいた。東日本大震災の大津波も「末の松山」を貞觀大津波同様に超えなかった。

『科学をうたう』の「美しい地球」の章にあった東日本大震災に関する短歌に思う。

産業技術研究所の調査結果は2009年度末には、1200年前の大津波の被害の状況が分かっていた。その資料からの警告を、予防的措置として東京電力が、外部電源を高台へ移転していたら、大規模避難も今回の汚染水も海の防水はなかったのに、残念でならない。

貞觀大津波の調査について詠んだ歌があります。

貞觀の津波来しとふ跡に立ち海までの距離四キロ思ふ(千葉なおみ)

(以下、この歌の解説から)

東日本大震災前、2005年かけて産業技術研究所のグループが、869(貞觀11)年に陸奥国(青森、岩手、宮城、福島)東方沖を震源とする地震で大津波が発生した。石巻平野、仙台平野で貞觀地震の津波堆積物なとを数回に渡り調査していた。

現在の石巻市、大槌町、双葉町、浪江町など、東日本大震災でも被害を受けたいくつもの地点で、過去の津波堆積物が見つかっていた。その結果から、新しい断層モデルが作られ、対策が講じられるはずだったが間に合わなかった。

和歌『後拾遺集』に収められた次の一首、

契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは(清原元輔)

東日本大震災後に、「末の松山」は何処か?議論となった。

本によると、

『大日本地名辞書』を編纂したことで知られる歴史学者、吉田東伍(1867〜1918)は1906年(明治39)年に、平安時代の歴史書を読み解くことで、宮城県高城市にある豊国寺裏の小高い丘が「末の松山」だと特定する論文を著した。東日本大震災の津波も、「末の松山」を越すことはなかった。

阿賀野市立吉田東伍記念館長の渡辺史生さんは、震災直後、吉田の考察は、将来の防災に役立てようと注意喚起した点を高く評価した。そして「私たちは東日本大震災の大津波の襲来を、『想定外』だったと片付けてしまうわけにはいきません」と話している。
(以上、『科学をうたう』より)

科学技術に関わるものは、自然が起こす災害への備えで、歴史にも学ぶ姿勢が必要と思いました。原子力発電の関わる人たちの危機意識の吉田東伍並みに高かったら、今回の大惨事を起こさなかったような気がしてなりません。

2012年5月5日、国内の商用原発54基すべてが停止した。それを詠んだ一首は、

日本の五十四基の原発の稼働がとまりたる<こどもの日>(田宮朋子)

しかし、10年が過ぎ、さらにウクライナ戦争から原油高、物価高からか、原発の再稼働が進んでいる。地球温暖化対策に"原発有効"を政府は言うが・・・

昔から、「地震・雷・火事・親父」と、恐れられたが、自然災害、人工災害では、「地震・雷・火事・火山」を常に想定して、行動しなければと本読み思いました。

危機意識とは何か、2つの短歌に学んだ気がします。

*参考資料:松村由利子編著『科学をうたう センス・オブ・ワンダーを求めて』


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Posted by ノグチ(noguchi) at 20:29│Comments(0)東日本大震災熊本地震能登地震
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