「素心規」、「三不幸」、先人の教えを忘れない

2011年01月19日

「素心規」、「三不幸」、先人の教えを忘れない

 今日は、毎年開催される、「横井小楠墓前祭」の案内メールは来ました。新暦2月15日(旧暦1月5日)は、横井小楠が暗殺された日です。今年で141年目です。明治2年の正月に凶刃に倒れました。小楠は、62歳で命を落としました。晩成の人生だったと思います。

 人は、早く成功を願うものです。人気、名声、富貴、等々、人の欲望が何時の時代も変わりません。中国古代の賢人伊川が、次に教示を残しています。

「三不幸」
 伊川(いせん)先生言う、人、三不幸あり。少年にして高科に登る、一不幸なり。父兄の勢に席(よ)って美官となる、二不幸なり。高才有って文章を能(よ)くす、三不幸なり。

(意味)年の若いのにどんどん上へあがる。世の中はこんなものだと思ったら大間違いである。というのは修練というものを欠いてしまうことになるからで、これは不幸である。これは官ばかりではない。親のお陰で若輩が重役になったりする、みな同じことである。またいろいろのすぐれた才能があって、文章を能くする――文章を飾る、表すということで、つまり弁が立ったり、文才があったりして表現が上手なこと――これも大きな不幸である。
 (以上、「安岡正篤 一日一話」より)

 早熟は長く続かずとも評されます。大器晩成と言う言葉もあります。

 私は、熊本県央地域の坂本龍馬ファンの集い「不知火龍馬会」を主宰しています。仲間と意見を交わし、規約(綱領)を決めました。難しなく、少ない言葉が良いと決まり、借用しているのが、昭和の東洋哲学者(儒家)の安岡正篤先生の教えです。「素心規」です。

「素心規」~生き方の指針~ (不知火龍馬会 綱領)

一、禍か福か、福か禍か、人間の私心でわかるものではない。長い目で見て、正義を守り、陰徳を積もう。

二、困窮に処するほど快活にしよう。窮すれば通ずる、又通ぜしめるのが、自然と人生の真理であり教えである。

三、乱世ほど余裕が大切である。余裕は心を養うより生ずる、風雅も却ってこの処に存する。

四、世俗の交は心を傷めることが少ない。良き師友を得て、素心の交を心がけよう。

五、世事に忙しい間にも、寸暇を偸んで、書を読み道を学び、心胸を開拓しよう。

六、祖国と同胞の為に相共に感激を以って微力を尽そう。

*素心とは:利害や意見や年齢や地位身分など、そういう様々な世間の着色に染まぬ生地のままの純真な心
 (以上、「安岡正篤著一日一言」より)

 短いですが、多くの教示を含んでいると思います。私は、上記の教えを忘れることなく、仲間と少しづつ前へ進んで行きたいと思います。

*参考資料:安岡正泰編「安岡正篤 一日一言」


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Posted by ノグチ(noguchi) at 22:23│Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他
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