<呉下の阿蒙>その人の価値は、常に"時価"で測られる。〜学歴というブランドは、20年もすれば無くなる〜

2022年08月11日

<呉下の阿蒙>その人の価値は、常に"時価"で測られる。〜学歴というブランドは、20年もすれば無くなる〜

人生64年、いろんな人と出会い、いろんな栄枯盛衰、さまざまな人間模様を見てきたように思います。

私たちの学生時代から就職、建築の修行時代は、バブル経済の日本、地方でも仕事が溢れていました。

私の独立は、バブル景気が終息に至るころ、独立後の仕事はほとんどなくなったころ、というか、景気の良し悪しに関係なく、始業時は誰も仕事がないものです。よくここまで、独立して33年目ですが、生き延びてきたものです。

ある先輩から、事業は"持業"だから、細く長く続けることも大事と教えられました。その方は、70代半ばですが、設計に関わり、仕事を継続されています。また、「設計は裏方、華やかな世界は必要ない」とも教えられました。テレビに出るような建築家は、ほんの一握り。地道に、設計をやっている建築士がほとんどです。

設計は、もともと事務屋の延長でもあります。"持業"を維持することで、少しづつ人の時価が上がってきて、人のつながりで仕事をすることが多くなります。

要は、出会う一人ひとりと、真剣に向き合って来たか、が問われるようです。

数年経って再会した時、あれ?前と変わらないなぁ、と思われるようではいけないのです。

三国志に、「呉下の阿蒙(あもう)」という故事があります。

その意味は、

三国志の呉の孫権の部下の呂蒙(ろもう)は、武勇はすごかったが、学問はからっきしダメで、「おバカちゃん」という意味で「阿蒙」と呼ばれていた。孫権から、少しは学問をやりなさいと指導され、呂蒙は孫権の意に応えるために猛勉強を始め、高い教養を身につけていった。それからしばらくしたある日、彼は参謀の魯粛(ろしゅく)と対談したのだが、魯粛は彼の高い見識と知識に大いに驚いて「すでに武略のみの呉の蒙君ではなくなったな」といったという。

「呉下の阿蒙」から、人間の成長は計り知れない。昔の姿から、見下すような態度をとっていると、逆に見下されるようなことが起こる。知人と数年ぶりの再会時は、常に白紙の状態で対面すべきと思います。

>その人の価値は、常に"時価"で測られる

自らが「呉下の阿蒙」と呼ばれないように、日々精進が必要と思いました。

*参考資料:升野俊明著『禅、比べない生活』


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