<自由と競争>戦後処理に奔走した白州次郎という人物、賛否両論ありますが、印象に残る言葉があります。

2022年07月20日

<自由と競争>戦後処理に奔走した白州次郎という人物、賛否両論ありますが、印象に残る言葉があります。

別冊宝島編集部編『白州次郎という生き方』を先週に古本屋で見つけた。視察研修に持参して開くと、以下の言葉がありました。

(以下、本より)

(太平洋戦争の)開戦後、水産業は国家統制の対象となると、
「競争をなくしちまったら生産性なんて上がるわけはないですよ」
と辞表を書き、会社を後にすることになる。
 自由には覚悟が伴うと自覚したうえで、その分働く、二郎の答えは明快であった。
(以上、『白州次郎という生き方』より)

戦前にイギリスのケンブリッジ大学で学び、外交官時代の吉田茂氏と親交のあった白州次郎だが、太平洋戦争が始まると田舎に引き込み、農業を始めた。今に残る「武相荘」という自宅ですが、現代でも訪れる人は多いという。

>競争をなくしちまったら生産性なんて上がるわけはない

"自由と競争"は、戦後の日本の成長を推進した理念ですが、その分、出来ては消え、出来ては消えた事業家はたくさんいます。その中で生き残った会社が、日本社会の中で、経済を牽引しています。

白州次郎は、通称産業省を創設したメンバーの一人、"自由と競争"は、少年期から過ごしたイギリスでの教育にあると考えています。

ただ、第二次世界大戦前のイギリスは、植民地からの搾取の経済で成り立っていたこと。父の事業は、大正パブルで成功したが、逆にパブルが弾けて、白州次郎は、留学から途中帰国することになった。後にビジネスマンとしての活躍する白州次郎の生き方の基本に、海外での経験があると思います。

他にも、色々な言葉を残しています。印象に残る言葉は、後に作家となる白洲正子さんの影響もあるのだと思いますが、

よく聞く言葉が、

従順ならざる日本人

GHQに抵抗らしい抵抗をした日本人がいたとすれば、ただ二人ーー。
一人は吉田茂であり、
もう一人はこのぼくだ。
(以上、『白州次郎という生き方』より)

白州次郎の祖父は、儒家で藩の教育担当だった。日本とイギリスの教育を受けた白州次郎なる人物には、惹かれるものが有るなぁ、と思います。


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