<すぐに名前が出ない?>「老いて将(まさ)に智ならんとして而も耄(もう)之に及ぶ」〜中国古典『左伝』より〜

2022年07月02日

<すぐに名前が出ない?>「老いて将(まさ)に智ならんとして而も耄(もう)之に及ぶ」〜中国古典『左伝』より〜

最近、さっと名前が出てこない!、記憶とは不思議で、常に会っている人の名前が、"ポッ"と頭から消えるとか、直前まで会っていた人の名前の一部と、語らなければならない人の名前の一部がつながって口から出る。

これは、ボケの始まりだろうか?

今朝の読書は、半藤一利著書の文を集めた『歴史と人生』にあった夏目漱石の句の紹介から、歳をとる意味を教えています。

(以下、本より)

明治三十二年に一句、

耄碌(もうろく)と 名のつく老いの 頭巾かな

わたくしはこの漱石の句を読むたびに、だれに教わったのかどこで読んだのかを忘れたが、『左伝』(史書『春秋』の注釈書)にあるという諺を思い出してしまう。
「老いて将(まさ)に智ならんとして而も耄(もう)之に及ぶ」ーーその意味は、老いたために非常に智となった、物事がいろいろとわかるようになった、が、その年ごろになるとボケのほうがきてしまう、というのである。漱石の句はまさしくここを詠んでいる。三十二歳にしてこの哲理をさとった漱石はひたすら急ぎすぎたような気がしてならない。
(『漱石先生大いに笑う』)

歳を重ねると、知識量はそれなりに増え、さまざまな経験も重ねて、あーだ、こーだ、と話はできるのですが、肝心な固有名が出なくなると、語りに迫力を欠いてしまう。

名前がサッと出なくなったら、要注意、黄色信号というところでしょうか。

漱石先生は、すでに32歳で、老いの境地を俳句に詠んでいたことを驚きます。やはり、凡人ではないな、と思います。

>吾輩は猫である、名前はまだ無い。

すぐに名前が出てくるように、そろそろ頭の体操をしなければと、朝から思いました。

今日は、朝の涼しいうちに、畑の雑草刈りをやりたいと思います。暑くなりそうです、熱中症にならないように気を付け、作業したいと思います。


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