>組織には隠れた猛犬がいることを忘れてはならない。それが改革を阻むから、組織の新陳代謝が進まない。〜韓非子〜

2022年05月30日

<人を信じ過ぎない>組織には隠れた猛犬がいることを忘れてはならない。それが改革を阻むから、組織の新陳代謝が進まない。〜韓非子〜

(長文です。お時間ある時にお読みください。)

今朝は雨なので、長めの朝読書となった。作家の守屋洋著『「韓非子」を見よ!』に以下の言葉をみつけた。

(以下、本より抜粋)

「人主の患(うれい)は、人を信するに在り。人を信ずれば、他人に制せらる」

『韓非子』は言う、君主にとって、人を信ずる(信じ過ぎる)ことは有害である。人を信ずれば、自分が人に押さえこまれるのだという。

また『韓非子』は言う、

「君主のほうは呑気なもので、そうした臣下の上にいながら、のほほんと構えている。こんなことだから、臣下に地位を脅かされたり殺されたりするのだ」

例え話。

宋の国に酒屋があった。まじめに商売と、接客も良いのに、なかなか売れない。なぜか?
知り合いの老人に、尋ねる。老人が語るに、
「おまえさん、猛犬を飼っていなさらんか」
「猛犬がいれば、どうして酒が売れなくなるのですか」
「客が怖がるからじゃ。家によっては、子供に銭を渡し壺を持たせて買いに行かせるが、それを見て犬が噛みつこうとする。酒が売れなくて酢になってしまうのは、そのためじゃよ」

『韓非子』は、この例え話をした後に続けて、

「国にも、こういう猛犬がいる。有能な人材が素晴らしい策をもって君主に見(まみ)えようとしても、まわりの重臣どもが猛犬となって歯をむき出している。君主が目をふさがれてその地位を失うのも、有能な人材の登用がはばまれているのも、このような理由に他ならない」

要は、新しい有能な人材の登用は、重臣(既存)たちの地位を危うくする。君主(トップ)がいくらその気になっても、重臣たちに対する押さえ(指導力)が効かなければ、せっかくの意図(構想)を実行に移すことができない。
(以上、『「韓非子」を見よ!』守屋洋著、より)

みなさんのまわりには、"猛犬"がいませんか?

何かにつけて、政党が変わろうと、トップが変わろうと、常に反論ばかりを語る人がいます。

時の政府が、自民党から民主党、また自民党となっても、その人の意見を聞いていると、やはり、政権批判ばかりをする。時の政権を批判をする事で、自らの位置を確保しているかのように見えます。

それでは、主流派からは、敬遠され、枠外に外れてしまう。

トップは、このような人物には注意を払い、近づき過ぎないことが重要です。

やはり聞く耳を持ち、発言力を持つには、やはり時代の流れをつかみ、新たな人材とも付き合える姿勢を持たなければいけない。

『韓非子』は、人間分析が鋭い。信じ過ぎず、人物を前からだけでなく、後ろから、斜めから観察し、人を使っていく知恵のが詰まっている。

韓非子の「人を信じ過ぎない」の本質を知り、自らの組織の新陳代謝を図ることを忘れてはならない、と朝から考えました。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。良い一日で在りますように。


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