<今の幸福を知る喜び>君に勧む、さらに尽くせ一杯の酒。〜王維(唐の詩人)〜

2021年12月10日

<今の幸福を知る喜び>君に勧む、さらに尽くせ一杯の酒。〜王維(唐の詩人)〜

人の人生には、さまざまな事が起こる。大病、事故、災害、さらに不遇な境遇(左遷、倒産、死別、等々)が不意に起こる。

冒頭の言葉は、唐時代の官僚が、唐から離れた辺境の地に赴任(左遷)する前に、友人である王維と最後の晩餐の時に交わされた言葉を、詩に詠んだ一節です。

・元二の安西に使するを送る

元二の安西に使するを送る
渭城の朝雨 軽塵を潤し
客舎青青柳色新たなり
君に勧む更に盡くせ一杯の酒
西のかた陽關を出ずれば故人無からん
(以上、直訳文より)

赴任する元二は、長安の暮らしを振り返り、その幸せな生活を知る。これから辺境の地へ赴くと、友も居らず、長安の豊かさ(人や都市サービス)も無い地方の生活。改めて、これまでの幸せを噛み締める。

今のこの生活こそが幸せと理解する人は、そう多く無いと思う。もっと、もっとと、様々な欲が出る。その実現でないことを周りの性にする。自らの姿を見失っている?

不遇な境遇になった時、これまでの幸せを確認する。

詩人・王維の言葉に、いつの時代にもあることだなぁ、と知らされます。

今の幸せを感じる・知ることは大切なことのように思った、朝読書でした。


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