(人間社会の限界)持続可能な社会における農業の役割 その1

2008年03月22日

(人間社会の限界)持続可能な社会における農業の役割 その1

ブルントラント委員会、エコロジカル・フットプリント、持続不可能、他

~1987年、環境と開発に関する世界委員会(通称「ブルントラント委員会」)~

「持続可能な発展とは、将来世代がそのニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代の満たす展開である。」

 元ノルウェー首相のグロ・ブルントラント氏(女性)が委員長を務め、世界各地を回り、様々な意見を集めてまとめた、持続可能の発想を定義したものです。ここから、リオの環境サミット等が、はじまり、地球の限界を世界が知る機会になりました。

~エコロジカル・フットプリント~

「エコロジカル・フットプリントとは、人類が消費している資源を生産し、また輩出している(二酸化炭素などの)排出物を吸収するのに必要な土地及び水の面積を測定する資源管理ツールである(現在の技術を前提としている)」

人類活動はなぜ「持続不可能」とされているか

1980年代に衛星の観測からオゾン層の破壊状況がわかり、世界に衝撃を与えた。
また、同時期温暖化について頻繁に議論されるようになった。

人類の需要は、環境再生能力を計るエコロジカル・フットプリントで検証すると、1980年代後半に、再生力の限界点を越え、取り返しにつかない数値へ上昇を続けて来ました。地球上での生物生産が可能な面積を、人口総数が使用できる、一人当たりのエコロジカル・フットプリントは約1.8haが限界点ですが、現在の状況を調べると1.25倍の約2.2haになっています。

地球から多くの生物種が減少して行っています。これは、地球環境悪化を無視して、人間界が成長を続けて来た結果と思います。人口は、増加を続けています。何を現代の人々がすべきか、自ずと見えて来るように思います。

日本に焦点をあてると、日本人一人当たりが生活するのに必要なエコロジカル・フットプリントは、2.4倍の約4.4haの数値になります。食料自給率39%、エネルギー95%輸入等を考えると、いかに地球環境を汚して、日本社会が成り立っているか分かります。

そこで出てくるのが、「持続可能な社会」。
特に今回は、「持続可能な農業」について、多くの識者、技術者、科学者の意見を求めた提言書「本来農業への道」が発表された。そのリーダーの一人が、フューチャー500理事長の木内孝氏です。中心になったメンバーは、下記の4人。

木内 孝(NPO法人フューチャー500理事長)
星 寛治(全国環境保全型農業推進会議委員)
松田藤四郎(東京農業大学理事長、東京情報大学学長)
石黒 功(イシグロ農材株式会社 取締役社長)

他に、100名を越える方々が関わり、「本来農業への道」がまとめられました。
5つの分野に、10の提言がなされています。これは、明日の日記でご紹介します。

*持続可能な農業に関する調査プロジェクト、報告書「本来農業への道」より




<以前の日記>
・(チベット騒乱)「暴動」か「デモ」か、多様な検証が必要~大道廃れて仁義あり(老子)~
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=751579477&owner_id=2182841

・(事業の成功)天の時、地の利、人の和で、第一は「人の和」 ~孟子の教えから~
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=751026338&owner_id=2182841&org_id=750356158

・(幸福とは)平穏無事より幸せなことはない ~「菜根譚」より~
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=750356158&owner_id=2182841&org_id=749307312

みんな中国古典思想の教えなのに、中国国内では何度も騒乱があります。世界の人々が、政治のどこに問題があるに、関心を持ちつづけるが大事と思います。




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Posted by ノグチ(noguchi) at 08:43│Comments(0)農業問題
 
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