噂というのは「あの人なら、さもありそうなことだ」と思わせる雰囲気をもっていれば成功。〜田辺聖子〜

2021年09月09日

噂というのは「あの人なら、さもありそうなことだ」と思わせる雰囲気をもっていれば成功。〜田辺聖子〜

秋は紅葉と言いますが、赤や黄色、オレンジ色の葉っぱがじゅうたんのように広がる風景も良いですが、殺風景な針葉樹の森に、ポツンと赤い楓一本は、存在感と艶やかさを感じます。

日本の自然美が最近、西洋風になってきているのでは、思ったりします。

田辺聖子著『夜明けのさよなら』に以下の文かあります。

(以下、『苦みを少々』から)

花というものは、華やかなものではないんですな、本来、素朴なもんなですな。ですから、飾りたてた部屋には元来、向かんのですよ。日本間の、何の飾りもない床の間に活けると引き立つでしょう?

しかし西洋風の、カーテンだ、じゅうたんだ、ソファだ、画だとごてごてしている間の中に、活けられた花は造花のように死んでしまう。

花が生きるのは、こんな風な、丸太小屋みたいな部屋の中なんです。
(以上、本より)

花も紅葉も、たくさんの中に在れば目立たない。異分野の中にいるから輝くのです。

人も群衆の中で輝こうとしても、白い砂浜の石英の一つでしかないが、黒い砂浜では、一粒でも白く輝く。

>日本間の、何の飾りもない床の間に活けると引き立つでしょう?

自らの存在をどう活かすか?

異分野の人との交流(つながり)の多様にさせることで、自らの存在を示すことが大事だと、異業種交流会を続けできて思います。

田辺聖子さんの言葉に、噂の話があります。

(以下、『苦みを少々』より)

噂というのは「あの人なら、さもありそうなことだ」と思わせる雰囲気をもっていれば成功で、その出来具合に感心するのも噂のたのしみである。〜『ダンスと空想』〜

噂の出来具合を楽しむ?

私はその境地にはないですが、群衆のなかで安住するのか、異分野の中で光を放つのか。

一度の人生、どう生きるか。

建築という立ち位置は持ちながら、市民活動という世界は、変化もありますが、体験というリアル感が、愉快と思っています。

さて、私の噂はどんなものか?、本人の耳にはなかなか聴こえてきませんが、"出来具合"はどんなものでしょうか。何かの機会に確認したいものです。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 06:37│Comments(0)哲学、人生市民活動
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