フィンランド教育は世界一(日本の教育基本法を参考に)

2008年07月07日

フィンランド教育は世界一(日本の教育基本法を参考に)

「フィンランドの教育世界一は、戦後の日本の教育基本法を参考に実現」

 不思議な話と思われるかもしれませんが、1962年に日本の教育者がフィンランドから招聘され、日本の教育基本法と学校教育法、学校教育施行細則を持参して、一年間フィンランドの教育改革に関わったと言います。
 その頃の日本は、高度成長期で、世界から注目を集めていました。ただ、当時の日本の教育環境は、既に現状は、教育基本法から大きくずれていたこともフィンランドの教育者の数名は知っていたのですが、教育基本法と学校教育法の理念だけを参考にして、1968年に学校教育法を改正し、1972年には実施に移しています。それからずっと、教育の平等化、個々のニーズに対応する教育、競争的でない、ひとりの落ちこぼれもつくらない教育をめざして、ここまで来たと言うことでした。

 フィンランド教育庁が挙げたPISA好成績の原因11項目
1)住んでいる地域、性別、お金の有るなし、母国語にかかわらず、教育の機会が平等
2)徹底した地方分権
3)性による差別がまったくない
4)教育がすべて無償
5)基礎教育が、こどもたちを選別することなく、みんな一緒に行われている
6)中央からは支援的な助言をするのにとどまり、実施は地方の裁量で柔軟に行われる
7)すべての学年を通じて、生徒がたがいに学びあうやりかたをしている
8)個人への学習支援と、生徒の福祉が確立している
9)テストも序列リストもなく、生徒が自己評価する
10)先生のレベルがとても高く、主体的
11)個人が成長し、たがいにかかわりあうことで、社会が成長するという考え方が確立している

 私が思う、日本がめざす教育にぴったり沿っているように思います。(教育基本法の4)の不徹底が少し見えるとのこと)教育改革の視点がどこにあると考える時にフィンランドの国家戦略に中に、「資源の少ない小国では人が資源だから、おちこぼれを出していてはやっていけない」と言う考えがあり、中島教授は少々気になるところと講演で話されたそうですが、日本の現状からするとはるか先を進んでいると思います。基礎の理念は、日本の教育基本法と学校教育法60年経つとこんなに違って来るのだろうと思います。

 それともう一つ、大正時代の自由教育の拠点だった自由学園と言う学校をご存知でしょうか。作家の羽仁進さんの両親が起された学校です。この理念の基は、フィンランドのスロイドという、労働しながら学ぶ「児童中心」も教育が参考にされていたそうです。戦後すぐ、GHQの中央情報局が評価したのも、自由学園と玉川学園でした。この自由学園の考えは、当時世界各地で起こり、アメリカのハーバード大学でも講義がされていたと言います。時代を越えて、その時代の子供たちへの教育の考えは、同じ時代背景の中で生まれ、つながっていたのだなと感じます。

 今の日本は、資源の少ない小子化に直面し、人口が減っています。教育基本法のすばらしい教育理念に立ち返り、今度は日本が「フィンランド教育庁の教育理念」を参考に、「児童中心」の教育方法に改革し、教育の機会均等、教育費の無償化で、「人が資源だから、おちこぼれを出していてはやっていけない」と言う考えで、多様な人材を育成に知識情報社会をリードする国に転換することを望みます。

 少子化は、企業にも、行政にも、多様な人材が宝になります。これから目指す小さな政府は、地方分権、地方の特色を生かし、世界から魅力的に見られる地域を市民が参加し作り上げることが大切と考えています。その中心に有るのが、教育ではないかと思います。

 また、地球環境を持続するために、化石燃料の枯渇と自然エネルギーへの転換と、日本の資源輸入、製品輸出の経済スタイルが厳しくなる状況が見えて来ます。「資源の少ない大国?では、これから人が資源」、21世紀は、すべての人材を活用できるようにしないと、世界の期待に応えられないのではと心配しています。
 ぜひ、フィンランド教育庁が挙げたPISA好成績の原因11項目を参考に、これから教育システムを創って欲しいと願っています。

上記について、助言、意見をいただける方があれば、幸いです。
よろしくお願いします。


・学力の二極化と所得格差の影響
 http://noguchi.otemo-yan.net/e91384.html


同じカテゴリー(教育問題)の記事画像
<公立高校定員割れ>県庁所在地の県立の進学校のクラスを減らす要求が出ないのが不思議でならない。
★『世界で最も貧しい大統領=ウルグアイ元大統領 ホセ・ムヒカ』の言葉
51年前、私も宇土高校の門をくぐり入学しました。(笑)変わらない母校の姿。
放課後児童クラブ(学童保育)の学習会。〜発達障がいの対応は、一般化ではなく、その子らしさの尊重〜
学校の森、学校林、学校の景観、木について学ぶ。〜熊本市「森の都推進部」〜
<学校運営、教室運営を民主主義の学びの場に>優秀な指導者?の恐怖支配、体罰暴言、
同じカテゴリー(教育問題)の記事
 <公立高校定員割れ>県庁所在地の県立の進学校のクラスを減らす要求が出ないのが不思議でならない。 (2025-05-18 00:18)
 ★『世界で最も貧しい大統領=ウルグアイ元大統領 ホセ・ムヒカ』の言葉 (2025-05-16 20:00)
 51年前、私も宇土高校の門をくぐり入学しました。(笑)変わらない母校の姿。 (2025-04-08 20:15)
 <生活習慣と学力>規則正しい生活習慣と本のある家、本を読む習慣。〜岸本裕史〜 (2024-06-21 08:28)
 <今朝の名言>さまざまな社会の出来事を非難する人がいます。政府にも、行政にも、さらに職場でも・・・ (2024-05-13 05:51)
 放課後児童クラブ(学童保育)の学習会。〜発達障がいの対応は、一般化ではなく、その子らしさの尊重〜 (2024-01-30 13:22)

Posted by ノグチ(noguchi) at 06:45│Comments(1)教育問題

この記事へのコメント

おはようございます!

>個人が成長し、たがいにかかわりあうことで、社会が成長するという考え方が確立している

この考えはとても大切だと思います。
Posted by ピナピナピナピナ at 2008年07月07日 08:37
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。