人材教育の基本精神は『誠(まこと)』にある(三島中州)

2008年03月27日

人材教育の基本精神は『誠(まこと)』にある

~二松学舎大学創始者の三島中州先哲の教え~


 様々な事件を考えるに、知識はあるが、その知識を使いこなす、自身の心が育っていないように思います。心の育成を、もっとも大事にしたのが、三島中州であり、その師の山田方谷でありました。

 山田方谷が行き着いた「陽明学」、維新の志士たち55名が学んでいたと、アメリカから赴任した駐在員が検証して、日記に書いています。陽明学の重要な教えの一つが、下記の4つの理念です。

 現代の教育は「頭」を鍛える思いが強いのですが、本当は、人材育成には『心・胆・頭・技(しん・たん・とう・ぎ)』の考えが重要と説いています。言葉に意味は、下記の4つです。

 一に、「心」が温かで真っ直ぐでなくてはならない。

 二に、「胆」とは、勇気や決断力(行動力)があること。

 三に、「頭」は、常に冷静にあること。

 四に、「技」とは、行動すること

とありました。

 現代の教育は、特に、教科書(マニュアル)通りの答えを覚えることが優先されがちですが、それよりも「親孝行」といった価値観の教育が大切とあります。。

 親孝行の原点は「感謝」や「誠意」であり、山田方谷の理念です。

他の教示に、「知行合一」「致良知」「事上磨練」「抜本塞源」など、日本のなじみの深い教えも多くあります。陽明学の始祖は、中国の王陽明。

*山田方谷
 4歳から家を出て、儒学塾に住み、素読から始め、様々な学者・私塾で学び、人生50年の時代に、33歳まで学問を続け、50歳を越えて備中松山藩の改革を指導し、明治になってから新政府からの要請を断り、陽明学の中心であった閑谷学校の校長として全国から方谷を慕って集まった若い青年たちを亡くなる直前まで指導されました。

*備中松山藩:岡山県高梁市周辺、約5万石の藩
 閑谷学校 :(儒学)陽明学の本山、現在は校舎は国宝として保存されている。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 23:15│Comments(0)偉人

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胆力というのは、

「肝が据わっている」

「ちょっとやそっとでは動じない」

という精神力の強さのようなものです。

あらゆるものを想定しているというようにも考えることができます...
48.胆力【社員数が5人以上10人未満のブログ】at 2008年10月03日 08:58
 
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