〈熊本発〉「阿蘇を世界農業遺産に!」、シンポジウムに参加して

2012年08月24日

〈熊本発〉「阿蘇を世界農業遺産に!」、シンポジウムに参加して

 昨日、阿蘇市の清峰高校で、民間主導の活動グループが、国際連合食料農業機関(通称FAO)が認定する「世界重要農業遺産システム(略:世界農業遺産)」の申請へ向け、阿蘇地域や熊本県下に呼びかけて、シンポジウムが開催された。私のこのグループの設立メンバーの垢牛生産農家の井信行氏に、ご案内を受け参加した。

 会場は、予定人数を越える110名が参加して、宮本健真代表の基調講演(熊本グランドデザイン優秀賞)、井信行氏、他4名によるパネルディスカッションの後、参加者との意見交換と、約2時間でしたが、とても中身の詰まった意見交換で、次の開催を期待する内容でした。

 参加者は、テーマが農業ですので、阿蘇地域の農業者、農産加工、流通、観光、更には研究者、報道機関も集まり、多様な意見が出ていました。パネルディスカッションの冒頭に、日本の先進地の能登の棚田、佐渡のトキと共に生きる農業、2例の紹介があり、宮本氏と井氏しが、佐渡の報告をされた時、先週日曜日にNHKの特番で放送された「トキの育成と放鳥、それを支えた佐渡の農業」が紹介されたばかりに、時代はここにあると感じました。

 阿蘇は、草原で赤牛を育て、カルデラの水田で、米、野菜を栽培し、全国に流通させています。最大の売りは、世界一のカルデラの「阿蘇山」は、世界に知られ、九州の中央部に位置しています。熊本、福岡、大分の大きな川の水源でもあり、人々が自然と共に生きて来た生活文化があります。

 これまで、阿蘇地域は、自然遺産、草原農業の文化遺産をテーマに世界遺産を目指して来ましたが、加えて人が生きてきた生業「農業」を中心とする、世界農業遺産に手を上げたことで、阿蘇の人々が、これまでにない自信を持つことにつながると感じました。

 井信行氏は、「まずは阿蘇が、世界農業遺産の認証を受ける。次に、阿蘇山の源を持つ水系、地下水を利用した熊本の農業全体を農業文化遺産として広め、いずれは熊本全体を、世界農業遺産に承認できればと思っている」と語られていました。
 農業遺産は、自然景観や歴史文化だけでなく、農業という生業を中心とした評価なので、経済的な発展要素に期待が大きいと思います。今後も、機会ある事に参加して行きたいと思います。  

Posted by ノグチ(noguchi) at 09:14Comments(0)農業問題