最後に逃げるリーダーではダメ、言うべき時に自ら主張できるか。〜白州次郎的な"勇気"〜

2022年08月03日

最後に逃げるリーダーではダメ、言うべき時に自ら主張できるか。〜白州次郎的な"勇気"〜

朝のウォーキングを終えて、また横になって枕元の本を漁っていると、『白州次郎という生き方』の本に、語録ページがあり、

「日本の若い人に一番足らんのは勇気だ」

の太文字の一文が、目に入ってきた。これは、自らの意見を公の場で語ることについての「勇気」です。

私は、6年ほど前まで、熊本大学の学際科(かつての教養)で、年に数度の講義を11年間続けました。講義内容は、「実践のまちづくり」で、講義は、前週90分と後週の前半に講話して、後半に意見を言ってもらうパターンでした。また毎週、講義についての感想や疑問をまとめ提出してもらうのですが、いざ意見を求めると、誰も手が上がらない。しかし、指名して話をしてもらうと、良い意見だったり、鋭い質問も出てくる。でも、手を上げてまでは語らない。日本の学生の特徴ですね。

一度、ハーバード大学の法学者マイケル・サンデル教授の講義(公共の正義)の講義の様子をビデオで見てもらった。1000人近い学生が集まる人気の講義なのですが、マイケル教授の講義スタイルは、会場と生徒と意見をよく交わします。
「さて、私の話した内容について何か意見ある?」
と会場にふると、何十人もの生徒が手を挙げる。そして、自らの考えを述べたり、鋭い質問がどんどん来る。日本の学生とは、ぜんぜん違う講義風景てす。

それを見て、日本の学生に、「こんな講義をどう思う」と尋ねると、100人ほどの教室ですが、誰も手を上げない。しかし、指名するとちゃんと意見を持っている。

白州次郎は、このことを指摘しています。この風潮は、現代の大人社会も同様で、会が終わってから、こそこそと当事者に意見を言っているのをよく目にします。全員いる中で語らないと、その意見の価値は意味をなさない、ということを日本人は、理解できていないように思います。

中には、肝心な会議をわざわざ欠席するリーダーもいる。意見を言いたくないがために、場から居なくなる(逃げる)輩もよく見ます。

リーダーは、"逃げない責任"を忘れてはならない。

白州次郎の言葉には続きがあります。

「日本の若い人に一番足らんのは勇気だ。そう言ったら損するということばかり考えている。自分の思うことを率直に言う勇気が欠けている」

私も若い頃は、尻込みして意見言えなかった。今は、会議の中で意見言う立場にあるので、逆に黙っていると疑念を持たれる。

"言うべき時は言う"を、若い時から実践しておくには、常々に学ぶことを続けること。そして、ある先輩から「本を読むだけではダメ、語るためには、毎日書きなさい」と指導を受けました。その直後(2002年6月)から、ネット上に自らの意見や本の感想、社会の問題や事件について書くようなり、今も毎日続けています。

意見を語るには、毎日書くことが大事、短い意見ほど難しい。ダラダラ語るのは誰でもできますが、1分、30秒の感想や質問は、なかなか難しいものです。

みなさんは、どうでしょうか?

<白州次郎的な勇気>
 己の損得ばかり考えビクビクしてはいけない。正しいと思うことを率直に言える「勇気」こそ大切である。
(以上、『白州次郎という生き方』より)

朝から長くなりました、最後までお読みいただき感謝いたします。  

Posted by ノグチ(noguchi) at 06:48Comments(0)マイライフ私の意見哲学、人生