日本の社会保証 ②

2007年10月31日

日本の社会保証 ②

・日本は、高度経済成長に支えられた社会保障

 日本は、高度経済成長の影響で相対的に社会保障が拡充されて来ました。現在は、定常型経済とグローバル化、循環型地球経済、環境保全・再生の中で経済成長におんぶされて、個人の社会保障が約束される時代は、既に終わっていることを気付きくことが必要です。いずれ人口の1/3が高齢者になり、少子化による労働力不足により、女性の社会進出が必然のものとなります。

 ただ日本は、戦前まで農村では女性も労働者の重要な担い手で有ったことを思えば、非生産人口50%は支えていける数ではないいかと思います。我が家も共働きです。


・これからの社会保障制度は、危険信号

 最後に、今度の統一地方選で町村合併が一つの争点になっていますが、自治体の拡大と地方分権は上記の社会保障の政策も地方にゆだねる時代になることが全く議論されていません。道州制や県単位の合併もいずれ始まります。地域主権へ向けて市民自身も真剣に自分たちの社会保障の研究が必要なります。

 自治体自体が大きくなり、住みやすい町になるかの市民側の議論が乏しいようにも感じます。町が大きくなり、「おらが町」「私の街」と言う意識が薄れて、自分の足下の確認を人々が求めていて、心を支える素材探しをしている風景を新聞やテレビを見て感じます。身近にある歴史や文化、自然やコミュニーティーとの関わり、そこで過ごす時間を楽しむことが、人々の関心になるように感じています。


・グローバル経済と、定常型型社会へ向けて価値の創造

 広井氏のまとめの言葉ではないですが、「これからの経済は、○○%の成長を維持すること」よりも、地球の限界、途上国の人口増加と高齢化、グローバル経済などを考えて「定常型型社会へ向けて価値の創造」がわれわれ世代に課せられているのかも知れません。

 今のままの経済成長・人口増加では、地球が支える力は2040年が限界と言われます。地球環境は、言葉はおかしいですが支配者である人間と地球とのバランス(共生)を保つことと思います。4億の民が世界の富の4割を持ち、更には先進国(世界人口の1/4)が世界の富の8割以上を持つ事実を省み、人間+地球の社会保障を考える時代にあると思います。

 NHKの年越しの対談に、これからの時代は、「Let's~」(一緒に~)の思想が大切と言われたのが印象にあります。地域との共生、街と農村漁村の共生、都市と地方の共生、西洋と東洋の共生、先進国と地上国の共生、人と地球の共生、21世紀は地球の社会保障を考える時代のようです。

2003.05.04野口の日曜メール№7


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Posted by ノグチ(noguchi) at 08:37│Comments(0)政治問題(国)
 
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