熊本県立高校再編問題 少子化と格差

2007年09月03日

熊本県立高校再編問題 少子化と格差

 今、熊本県は、高校再編問題で大きく揺れています。
 土曜日、県教育委員会が主催した高校再編の説明会に参加しました。

 昨年の計画が論議不十分と県全体の問題になり、様々な場面で議論され、特に高校合併地域では町の衰退状況も踏まえ、精神的なシンボルとしての県立高校の存続要望が何度も請願されて来ました。
 6月16日の宇城・上益城地区(熊本県央)の説明会では、(熊本・宮崎県境地域の)山都町町長をはじめ、学校関係者・保護者、さらには同地区中学校保護者や一般公募でも参加があり、悲痛な思いが訴えられた。

 県教委は、適正規模でのクラス編成でないと、専門能力ある教師を派遣できない、多様な人材との交流、部活動等々も数が必要と利点を強調した。再編地域の住民や同窓会等からは、最長30km近い通学距離に、過疎のため公共交通が撤退し、現在はバイクが唯一の交通手段、冬季は雪も降る地域でもあり、生徒の安全確保にからも、通学費負担からも存続を希望する発言が続いた。
 また、地形的に宮崎県五ヶ瀬町、高千穂町からの通学している子供も居て、現在の通学が困難になると訴えた。

 昨年も説明会に参加したのですが、議論の内容が去年から進展していないと感じた。膝詰め談判ではないですが、高飛車に数の論理だけでの説明では、住民は納得できないのは理解できる。事実、県南、天草地区には、分校として存続している高校もあります。説明会後、県議経験者でもある先輩と議論したのですが、学区再編と高校合併論議を一緒に解決するのは難しいのではないかと話をした。

 これまでの議論を聞きながら、都市部と中山間地地域との所得格差や交通格差、教育の格差が生じていると思います。少子高齢化に伴い、地域の経済の衰退も顕著になり、先の見えない地域未来へ、人材の育成で、教育論議と同時に産業振興の手立てを含めた、地域振興の論議をすべきではないかと思いました。

 全国の地区で、少子から学校再編が、小中高問わず検討実施されていますが、どのような議論期間を踏まえて勧められているか、関心のある方は、ご紹介頂けるとありがたいです。

 ちなみに、私の住む地域の高校には、県下初めて高校併設の県立中学ができ、6年一貫教育の試みが始まります。高校合併地域と違って、市町村立の中学進学論議で、現在の小学4・5年生の保護者が揺れています。

 少子化と合併、教育の格差に、所得の格差が影を写し始めた気がします。


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Posted by ノグチ(noguchi) at 10:53│Comments(0)熊本の出来事
 
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