<人は慌てている時に気づく>横井小楠の若者へ向けたメッセージ。

2017年04月03日

<人は慌てている時に気づく>横井小楠の若者へ向けたメッセージ。

下記の漢詩は、幕末の政治思想家・横井小楠が親族の甥二人をアメリカに留学させる時に贈った人生訓です。

送左大二姪洋行   横井小楠

明堯舜孔子之道  
尽西洋器械之術  
何止富国     
何止強兵     
布大義於四海而巳  

有逆於心勿尤人  
尤人損徳     
有所欲為勿正心  
正心破事     
君子之道在脩身  

【現代語読み】
堯舜(ぎょうしゅん)孔子の道を明らかにし、
西洋器械の術を尽くす。
何ぞ富国に止まらん、
何ぞ強兵に止まらん、
大義を四海(しかい)に布(し)かんのみ。

心に逆うこと有るも人を尤(とが)むること勿(なか)れ、
人を尤むれば徳を損ず。
為さんと欲する所有るも心を正(あて)にすること勿れ、
正にすれば事を破る。
君子の道は身を脩(おさ)むるに在り。
(以上、2006.10.02のブログ「野口修一と仲間たち」より)

私は、幕末の志士たちの志と行動を知るな中で、漢詩の後半こそ大事な、個人の修養が出来てこそ、前半部の仕事ができると分かりました。横井小楠先生の哲学の深さを知った気がしました。私の陽明学との出会いとなった山田方谷先哲も横井小楠と同じく佐藤一斎に師事したことが、大きく陽明学に造詣が深かったと推察します。

その佐藤一斎の訓示録『言志四録』に次の言葉があります。(以下、『佐藤一斎一日一言』より)

修養の程度を確かめる

存養(そんよう)の足ると足らざるとは、宜しく急遽なる時の事に於いて自ら験すべし。

【現代語訳】精神修養が十分できているかどうかは、急ぎ慌てているときに自分自身で判断する。
(以上、本より転載)

ドタバタしている時「俺は大丈夫か?」の検証が必要なのかもしれませんね。  

Posted by ノグチ(noguchi) at 04:55Comments(0)名言・スピーチ・訓示・他