世の中は方針通りには動かない

2010年03月02日

世の中は方針通りには動かない

(勝海舟)「人はよく方針と言うが、方針を定めてどうするのだ」

 物事を進めるのには、人それぞれに「これだ!」と決める決心があるものですが、一般人はその決定の基準がなかなか見つからないのが、現実です。
 昨日は、わが家の子どもの高校の卒業式でした。人生において、高校卒業時期が、人生の選択の第一段階で「進路」というものを考える時期でもあります。何処の大学?、何処の企業?、将来に展望、人生、等、・・・、悩み友と語る時期でもあります。
 人生には、色々な選択をする機会があるのですが、なかなか決めきらないのが人生と思います。しかし、うずうずしていると自分の時間を、無駄な時間が過ぎていくばかりと思います。

 また、人生の生き方、企業の進み方、教育の考え方、等、何かの方向を持っていないと、周りに流されてしまいます。
 「君の方針は?」と聞かれることがあります。
さて、方針とはなにかと考えると、周りに状況を判断し、進む「決め手」、あるいは「基準」とで言いましょうか、自分を納得させる心の拠り所とも言えます。
 中には、君の発言はブレがあるとか、風見鶏とか批評する人も居ます。さて、どれを中心に考えれば良いのか、また悩みます。これは、今の人だけが悩んだ訳でななく、昔の人も悩みました。

 明治維新のグランドデザインを画いたと言われる勝海舟もやはり悩みました。勝海舟の残した言葉に、次の一節があります。童門冬二著「勝海舟の人生訓」より、

(以下、転載)
「およそ天下のことは、あらかじめはかり知ることができないものだ。網をはって鳥を待っていても、鳥がその上を飛んだらどうするか。四角い箱を作っておいて、天下のものを」ことごとくこれに入れようとしても、天下には丸いものもある、三角なものもある。丸いものや、三角のものをとらえて、四角な箱に入れようというのは、さてさてご苦労千万のことだ」
 (以上、「勝海舟の人生訓」より)

 含蓄の有る言葉と思いますし、やはり勝つか異種も悩んだ考えたと思います。

 勝海舟の座右の銘の一つ「六然」が現すように、周りの状況をよく見つめ、その状況に身を置いた時は、彼が常に緊張し、鋭い目で周りの状況を分析したからこそ、江戸無血開城という方針を導き出したと思います。 

 私もても好きな言葉「上善水の如し」が現すような、容器(状況)にあわせて、自分を変えて行く。しかし、だからといって自分を失うことはない。

 人は、進む方向を自分で決めて、事に当たらなければなりません。それが人生ですが、「方針を固めて、突き進む」と言いますが、凝り固まっては、社会情勢の変化に対応できません。民主党が、「マニフェスト」の変更を余儀なくされています。当初の思いと、現実の差に気づいたら、勇気を持って変更する事が大事と思います。
 
勝海舟の言葉、「人はよく方針と言うが、方針を定めてどうするのだ」が聴こえて来そうな気がします。

目標と変化、チャレンジと反省、自分に関わる人や状況で、方針転換はするべきと最近つくづく思います。ただその目指す方向は、自分の周りや地域を、より良くするためでなければならないと思います。

*参考資料: 童門冬二著「勝海舟の人生訓」


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Posted by ノグチ(noguchi) at 09:02│Comments(0)私の意見
 
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