人生に表裏あるのはむしろ当然(新渡戸稲造)

2009年03月26日

人生に表裏あるのはむしろ当然(新渡戸稲造)

 上記のタイトルに、「何?」と思われた方もいると思います。新渡戸稲造は、「武士道」を英訳した方で、戦前の国際連盟の重鎮でもあります。これは、明治末期から大正期に、青年向けに発行された雑誌のコラムを集めた「自警録」の一節です。読むとなるほどと思われると思います。

(本文より、抜粋)
 ・・、僕は決していかなる場合においても表裏の存在は止むを得ぬといって、これを奨励せんとする意味ではないが、攻撃的に表裏々々と非難する中には、往々にして非難に値せぬものがある。むしろ表裏はあるのが当然で、表裏なければはなはだしく自己および他人に迷惑を与えることもあると思う。

 例えば、日常の生活について見るに、家族のみで食事をするならば塩物と香の物ぐらいで済まされるが、突然の来客でもあれば、急に刺身とか茶碗蒸しとかを注文する。これは生計上の表裏ではないか。

 また家庭で一家団欒の時は、主人は気楽なれば普段着で済ますと奥さんも喜ぶが、ふと客があれば急に紋付に着替える。これは、生活上の表裏の一つである。(中略)

 表裏の区別を全然無視せんとて、仕事に部屋着を来て出勤し、夏の日に真っ裸で行くものはあるまい。かくのごときは物に表裏あることをわきまえぬので、かえって世の秩序を乱すものである。(中略)


 この他に、人の性質等について書いてあるのですが、

「我々が各自の友人を一人づつ挙げて考えたならすぐに両面あること悟るであろうと思う。」とありました。

 また、表裏の善悪を判断する基準はどこにあるのか?

(本文より)
 しからば表裏という文字を仮に用うるとして、善き意味の表裏と、悪き意味・・・というのが過言であるならば、少なくとも自然表裏とは、何を標準とすべきか。僕はこれは表裏を備うる人の意志によるものであると思う。(中略)

>善き意味の表裏と、悪き意味の表裏 

その価値観は、その人それぞれの生きて来た人生(文化)から、どう評価するかにあると思います。

2日前、元検事たちが「西松献金疑惑」のついて、賛否(表裏)の意見を語ったニュースを読んだのですが、政治はその時代時代で、見方が微妙に国民の考え方も変るので、国民一人ひとりがどう捕らえるかのあるのだと思います。

今日書いた、「表裏」、色々な場面で、多様な見方があると言うことが大事と思っています。

*「専門家ほど、視野の狭い議論をしている」~木内信胤~


<西松-小沢、献金疑惑> 元検事、法律学者の意見から

■(西松献金疑惑)「やや乱暴では」「一罰百戒の意義」…検察OBの評価分かれる
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=787903&media_id=20

>元検事の郷原信郎・桐蔭横浜大法科大学院教授も、「西松建設の政治団体がダミーなら、例えば業界団体が設立する政治団体はどうなのか。今回の事件が違法だとしても、ヤミ献金ではないので悪質性は低く、罰金刑が妥当。検察は、なぜ今回の事件を摘発したか十分に説明する義務がある」と指摘した。

>元最高検検事の土本武司・白鴎大法科大学院長は、「規正法は、政治と企業の癒着構造をただそうと、改正を重ねてきた。企業献金にダミーの政治団体を使うような、手の込んだ犯罪を立件したことは、一罰百戒的な意義がある」

>「資金管理団体に加え、政治家の『第2の財布』である政党支部への献金も立件され、両団体の代表者である小沢代表の責任は免れないだろう」と話した。

>「政治状況が緊迫する今、いきなり野党第1党の党首の秘書を逮捕したのは、やや乱暴だったのではないか」と疑問を投げかけた。
(以上、ミクシィ・ニュースから抜粋)

 色々ご意見を頂けるとありがたいです。


同じカテゴリー(私の意見)の記事画像
議長の活動内容について(10月)
<地域の文化レベル>数字で見る人口に対する図書館の規模、宇土市の人口は現在36483人のための図書館。
豊かさとは何かを、自分も地域も社会も含めて、考える一年になる気がする。〜令和6年、龍の年〜
令和6年元日、新年あけましておめでとうございます。
11月17日の記事
嘉島町在住の皆さんは、ぜひぜひ穴井さんに投票をお願い致します。頑張れ、穴井さん!
同じカテゴリー(私の意見)の記事
 人と付き合うとは、違いを許容することから始まる。〜曽野綾子著『人びとの中の私』〜 (2025-05-15 22:54)
 議長の活動内容について(10月) (2024-11-16 20:34)
 信じれば実現する。「独立する。家を建てよ。著書を出せ」と日々イメージする。〜中村天風〜 (2024-09-17 07:49)
 <地域の文化レベル>数字で見る人口に対する図書館の規模、宇土市の人口は現在36483人のための図書館。 (2024-02-11 05:29)
 豊かさとは何かを、自分も地域も社会も含めて、考える一年になる気がする。〜令和6年、龍の年〜 (2024-01-20 07:22)
 令和6年元日、新年あけましておめでとうございます。 (2024-01-01 07:25)

Posted by ノグチ(noguchi) at 21:42│Comments(1)私の意見

この記事へのコメント

これからは裏表のみでなく、
文化的背景の違う人も混ざってきますから、
対応できない人は大変ですね。

加えて、海外勢は既に少しずつ浸透していますから、
出来ない=人生やっていけないになりそうです。
Posted by なる at 2009年03月28日 02:00
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。