<笑いは幸せな老年夫婦の必需品>少年老い易く学成り難し、壮年老い易く笑顔に成り難し、老年残り少なし笑顔溢れる。

2022年07月08日

<笑いは幸せな老年夫婦の必需品>少年老い易く学成り難し、壮年老い易く笑顔に成り難し、老年残り少なし笑顔溢れる。

 先週行ったリサイクルブックで手に入れた三浦朱門さんのエッセイを妻に読ませたら、笑っていた。

 タイトルは「老いてなにかと怖い妻、若いころは?」

 曽野綾子さんの夫、三浦朱門さん(85歳)のエッセイ『老年の品格』の冒頭の一文に、妻と共に笑った。二人の文化人夫婦には、女性秘書が年代別に3人関わっているという。その秘書たちの事ではなくて、三浦朱門さんが、その秘書たちへのある要求した話です。

(以下、本より)

 私は彼女らに、妻、つまり曽野綾子の若い時の写真を探してくれ、と頼む。
「なぜですか」
 彼女らは不思議そうな顔をする。
「いやね、今の彼女は恐ろしいだろ。何かというと、ボクのことをボケたんじゃないの、お言うしさ。何か言おうとすると、『人の会話のシャマをするんじゃない』と叱る。こんな怖い人と結婚した覚えはないんだ。だからよっぽど、昔の彼女はセクシーだったとか、窈窕(ようちょう)たる美女だったか、とおもってさ。ウン、なるほど、これならボクがだまされても仕方がない、というような人だったのかな、と」
 そう言うと、彼女らは笑って、相手にしてくれない。もちろん、曽野の若い時の写真を探すようなことはしない。
(以上、本より)

 私は、長く異業種交流会を主催してきました。当日参加も含め、その場に集まった方々を飽きさせれことなく、会話ができる雰囲気をいかにして作る(つなぐ)かを、約3時間没頭するのですが、それが主催者の役目。

 会に集まる人はさまざま、自らの主張を聞いてもらうために来る人は、聞く側からすると敬遠したい方でもあります。そんな人をどうつなげるか?
 まず、本人の言いたいことを全部語らせてから、「さっきの◯◯の部分に関わっている人の話を聞きませんか」と関連する方に、「◯◯について詳しく教えてあげてください」と紹介すると、自己主張しかしなかった人が聞き役に回る。これも一つの、笑顔のつながり作りと思っています。

 長く一緒に棲んで居る夫婦には会話もない、とよく友人たちが語る。果たしてそうだろか?

 会話がないのでなく、会話していないのが現実と思います。話をするには、まず聞き役に回れるか、が大事なのです。

 高齢者は、気難しいのイメージがあるが、語ってみると三浦朱門さんのようにウィットの効いた会話を投げかける人もいます。初めて会う人は、冗談混じりの話には、ムッ!とするかもしれませんが、毎日会っていると、相手に合わせるために話をしているのか、と理解します。高齢者は、我利我利の意見ではなく、聞く耳を持ち、笑える返事をできれば、老夫婦の会話もまんざらではないと思うのですが。

 現代の長い老後期間を、どう毎日楽しく過ごすか、それぞれの会話も工夫も必要なのかもしれません。

*参加資料:三浦朱門著『老年の品格』