子どもは、大人の考えているほど子どもでない
今日は、女優の三田好子さんの息子の裁判のニュースが出ていた。
30歳近くなり、親から生活費を毎月40万円支援してもらっていたそうです。
これでは、働く意欲が出ないのではと思います。時間をもてあまし、幻覚の夢を見に、覚せい剤に手を出したのではとおもう。一般の人々は、日々の暮らしの中で、ゆとりさえな状況で、まず考える閑の無い状況です。
そんな閑があるのであれば、社会活動に参加して、社会で苦しむ人を助けて回りなさいというのが親ではないだろうかと思いました。都市の爛熟した社会「うたかた(泡沫)」の中で生きていると、狭い世界の中でしか生きれないようになるではと思います。
「子供に旅をさせろ」と言いますが、子を持つ親として考えさせられる事件でした。
ふと、開いた批評家・小林秀雄氏の語録「人生鍛錬」より、次の一節を紹介します。
<本文> 小林秀雄語録、「人生鍛錬」より
子どもが大人の考えているほど子どもでないのは、大人が子どもの考えているほど大人でないのと同様である。
子どもは全力を挙げて大人になろうと努力をしているので、その努力は大人が屡々(しばしば)洩らす子どもに還りたいという感想のような生易しいものではあるまい。
全力を挙げて大人に成ろうとすることが、なかなか巧くいかない。
その巧く行かない点に、子どもの特色を認められては子どもは迷惑だろう。
(「清君の貼紙絵」13-40)
子供の成長もさることながら、「大人が子どもの考えているほど大人でない」ことの方が問題のように思います。
ここ数年、PTA活動に関わって来たのですが、学校を「託児所」代わりに考えているではと思える親も居て、色々社会の現状を学んだ気がします。
三田好子さんといえば、大女優と思っていましたが、「親としての成長が出来ているか疑う」とテレビキャスターが語っていたのが非常に印象に残りました。
自分自身、親としてどうか、常に反省することを忘れてはいけないと思います。
これは、それぞれの家庭文化の違いなのではと思います。
生き方を親が示す「文化」が、今の日本の薄れているように感じた今日の裁判報道でした。