「国家の持続可能性」スウェーデン1位、日本24位、(180ヶ国中)
オバマ大統領が提唱しようとする「グリーン・ニューディール」は、新しい試みかと思いきや、北欧のスウェーデンは、1996年9月17日に、ペーション首相が、施政方針演説で、
(本文より)
「スウェーデンは、生態学的に持続可能性を持った国をつくる推進力となり、そのモデルになろう。エネルギー、水、各種原材料といって天然資源の、より効率的な利用なくしては、今後の社会の繁栄はあり得ないものである。」(中略)
2001年4月、小泉内閣の施政方針のサブタイトル「改革なくして成長なしⅠ」、4年後の2005年も相変わらず「改革なくして成長なしⅤ」と本に紹介されていました。
地球再生の限界力は、1980年代後半にピークを迎え、どんどん環境悪化が進んでいると研究者が警告しているに、政治家はもとより、国民自身が成長し続ける夢を追っているのだと思います。
しかし、アメリカ型資本主義経済に行き詰まりが、昨秋から世界が大不況になっています。
(本文より)
1999年末、国連環境計画(UNEP)の「地球環境概要2000」は、これから起る環境悪化を報告書にまとめた。
(1)地上の淡水資源は、今後数十年間の需要増に対応できそうない。
(2)温室効果ガス排出増による地球温暖化の防止はおそらく手遅れ。
(3)熱帯林の破壊は既に取り返しががつかない状態。失われた森林の回復には多くの時間が必要で、森林とともに失われた文化は永久に回復できない。
(4)哺乳類の4分の1が絶滅の危機にある。かつての生物多様性を保つ事は既に手遅れの状態。
(5)2050年には、20億人が極度の水不足の悩むことになり、世界のにさんか炭素の排出は、2.4倍になる。有害物質は、現在の3倍、途上国は5倍。
(6)天然漁業資源は乱獲の影響で、現在の8800万トンで頭打ち、2050年の需要は、1億7000万トン必要。
(7)目先の経済的な利益のためにしばしば無視されてきた「環境問題」を、財政、貿易、農業、投資、研究開発などに関する意思決定の中心に置くことが需要。(中略)
2002年7月に公表された世界自然保護基金(WWF)の「生きている惑星の報告」では、
「いまの勢いで天然資源の消費が続けば、2030年までに人類の発展は下降に転ずる。資源節約やエネルギー転換など緊急の対策をとらなければ、発展を続けてきた人類の福祉や経済は2030年までに下降に転ずる」と予測し、警告している。(中略)
日本政府は、経済効果ばかりを越え高々に唱え、首相はホテルのバーで政治談議でしょうか。日本社会は、本当にこのままで良いのでしょうか。
地球のメインシステムは、自然環境。人間社会は、サブシステムです。人間だけ、それの先進国の意向で、どんどん成長して行って、その行く着く2050年は、人間の住める環境で無くなっていては、元も子もないように思います。
元々資源の乏しい日本は、このままの成長戦略で行き、金に物を言わせて資源を集め続ければ、他国から非難を受けるのは、目に見えています。
それより、日本が「生態学的に持続可能性を持った国」に転換し、世界をリードし、これから持続可能な国を目指す「魁(さきがけ)」になって欲しいなと思います。
*参考資料:小澤徳太郎著「スウェーデンに学ぶ『持続可能な社会』~安心と安全の国づくりとは何か」