〈現代〉「霞ヶ関幕府」の時代!~幕府政治なりがちの日本の特性
〈現代〉「霞ヶ関幕府」の時代!~幕府政治なりがちの日本の特性~
おもしろい本の一節を紹介します。作家の谷沢永一氏、渡部昇一氏の共著『人生を楽しむコツ』の最後の方にありました。谷沢氏の文ですが、長い転用ですが、変に納得してしまいました。
(以下、転載)
山形有朋が亡くなり、元老が西園寺公望になった。日本陸軍が憲法の欠陥をかい潜って、日本の実際の政治権力を握った。当時、陸軍省は、三宅坂に在りましたか、昭和の軍部による政治支配を私は「三宅坂幕府」と言っているのですが、せっかく江戸幕府を倒して明治維新をやったのに、また幕府による支配になってしまった。どうしても日本には幕府ができるんですね。
幕府というのは、一言でいうと国家法の定めの外にある存在です。鎌倉幕府から江戸幕府に至る国家法は律令です。鎌倉幕府、室町幕府、江戸幕府といずれも、養老律令のどこにも規定されていない存在でありながら、国家権力を握っていました。明治憲法のどこにも「お前に任す」と書かれていない軍部による三宅坂幕府が、昭和20年まで続く。それで遂に幕府は自滅したわけですが、戦後は霞ヶ関幕府というのができまして、現在の日本は「霞ヶ関幕府の時代」であるわけです。
こういう法の外にあって権力を握る機関は、勝手なことをする危険性があります。だから、幕府ができがちな日本の政治は、暴走する危険と背中合わせにあるといえるでしょうね。
(以上、『人生を楽しむコツ』より)
谷沢氏の一文を読み、なんだそんな見方もあるのかと思いました。霞ヶ関幕府、先輩の栗谷利夫氏が「東京幕府」と表現して、地方分権へ向けた強力な運動を繰り広げています。栗谷氏は、地方の民間力を結集し地方は、地方で考え行動する『民幕府』なる構想を唱えて、仲間を募り、実践されています。
権力にぶら下がるのでなく、自分たちのことは自分たちで決めて、実行する、民主導の地域活性化(政治)の実行が、21世紀の日本社会を元気する政治経済システムになると考えます。既得権益の問題を唱える経済学者の居ますが、もっと大事なことは既成概念(霞ヶ関幕行政)に慣らされた社会を、もう一度、明治維新のように、既成概念を変える国民運動が必要な気がしています。
本日も長文を最後までお読み頂き感謝します。
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