環境建築塾第9回 報告~思いは次世代の環境のために~
新発想の冷暖房「ecowin」の見学・研修会
国土交通省の第4回エコプロダクツ大賞、2007エコプロダクツ部門賞を受賞した地元熊本の起業家、(株)エコファクトリーの村上尊宣氏の事務所へお邪魔し、「ecowin」の実物を見学し、その考え方、今後の展開、もっとも重要な環境の配慮(CO2削減)についての考え方を学びました。
エコファクトリーのショールームに、土曜日の貴重な時間に、建築・環境関連の技術者11名が参加しました。
始めに、私がこれまでの環境建築塾の流れを説明しました。(末尾、第1~8回までの学習会の内容を添付しています。)
村上氏の研究開発の始まりは、環境セミナーに参加して、自分の子どもたちの社会はどうなるだろうと思ったことがきっかけだったそうです。その直後から、床暖房、断熱効果の検証、そこで気付いたのが、空調設備にムダの多さだったとのことです。
思いを語る、エコファクトリーの村上尊宣氏
現代に空調は、エアコンを駆使して、部屋全体を温める全空間の暖冷房ですが、「ecowin」は、輻射熱を利用した暖房は「局所+自然滞留」、冷房は「冷たい冷媒で室内空気から温度と湿度をとる形式」、どちらも強制的な風が無いので、極自然な感じで日常が暮らせるという感覚がもてます。
「ecowin」とセミナー風景
昨日は、熊本はけっこう冷え込み、シュールームで暖房をつけてもらったのですが、ほのかの温かく、しかしぽかぽかの感覚をもつ事ができました。
なんか、良い事尽くめに聞こえますが、問題は価格です。一機80~150万円します。現在の空調機器は、海外で量産している関係もありますが、対比すると2.5倍から3倍の費用になり、室内の放熱機器も大きく、まだまだ研究する余地がたくさんをあると感じました。
質問の時間をとり、みなさんから意見が出たのは。
・価格の問題、やはり高いということ
・海外市場へ打ってでることに関して、コピーしやすい仕組みなのでその対策
・始めはどの用途の建物をターゲットに、老人施設、病院、高級住宅
・工事の責任問題、当初はエコファクトリーの責任施工
・その他、
ただ、今は県のベンチャー支援の資金で色々な展開ができていますが、支援はずっとはありませんので、それが打ち切られたときが、本当の真価が問われるのだと思います。これから、どんなに推移するか注目をして行きたいと思います。
しかし熊本生れの新商品、後10年したとき、この商品がどんなに成長して行くか、とても楽しみでもあります。
終了後、エコファクトリーのスタッフと記念写真
(添付資料)環境・建築塾(不定期に開催)
第1回 ㈱笠原 代表取締役・笠原信悟様
テーマ:炭の効用と室内環境ホルモン
第2回 ㈱三宝企業 代表取締役・野田浩史様
テーマ:工期45日木造パネル構造軸組みの挑戦
第3回 ㈱エヌイーケイ 成瀬悟(一級建築士)
テーマ:高性能合併浄化槽開発と展開
第4回 ニューランバークリエション 理事 合志羊一様
テーマ:木材の燻煙処理と今後の展開
第5回 九州太陽電池工業㈲ 代表取締役・植田茂様
テーマ:太陽電池設備施工法開発と普及
第6回(天草町高浜)旅館「白磯」見学+宿泊研修
テーマ:昭和初期(3 ~5年)の数奇屋+洋館の検証
第7回 ハヤシコンフォート 代表・林昌治
テーマ:介護手すり工事九州一への挑戦
第8回 自然素材のマンション「エコウイング21」見学会
テーマ:女性が拓く環境共生住宅の未来