<危機に備えよ>時が過ぎれば周りも変わる。「世の中いうものは、たよりないもんやで」〜田辺聖子著『蝶花嬉遊図』〜
世は日進月歩のスピードが加速している。そんな中で約束をしますが、地震やコロナ禍、さらに世界の紛争で、周りの状況が変わる。
約束を守れないこと出てくる。
冒頭の言葉は、作家の田辺聖子さんの文を集めた本の言葉です。全文は、以下です。
(以下、『苦味を少々』より)
「ものごとは、確約なんてできるはずないよ。絶対とか、確実、なんて世の中にありえない。あいなるべくは、守ります、というくらいのところですな。なんで確約なんかするねん。ーー世の中いうものは、たよりないもんやで」
(以上、本より転載)
以前の首長(市町村長)の政治目標は「公約」でした。20年ほど前から、それが「マニフェスト」という約束と進捗を確認するものになってきました。
ここ10年ほど、日本は災害続きで、東日本大震災、九州や西日本を襲った豪雨被害、熊本地震、北海道でも地震、さらに世界を覆った感染症「新型コロナウィルス」の拡大はいまだに先が見えない。
ほんとに大変な10年だと思います。
さてそんな中で、個人としても大きく影響を受けないわけがない。市のコロナ対策会議に参加して市民生活の状況を聞く中で、生きることは大変だ、とつくづく思います。
以前の朝ドラの中で、おばあさんが「生きちゃるだけで丸もうけ」と語っていましたが、生きとるだけでは、対応できない社会変化があるな、と災害続きの10年を振り返ります。
明治維新の元勲・西郷隆盛は、「危機に備えよ」と常々語っていたそうです。世には災難が起こるから、いざという時のために備えなさい、と。
東日本大震災後、
日本はどうだったか?
地域はどうだったか?
私自身はどうだったか?
田辺聖子さんの言葉ではないですが、約束(確約)できないほど変化が早くなっていることを忘れてはいけない、と本を読みながら振り返りました。
>世の中いうものは、たよりないもんやで
中国古典の訓示に「克己心」があります。西郷隆盛も良く若い世代に語っていたようで、まずは己に勝(克)つこと、目先の欲に走るのではなく、未来の変化に備える生き方を、人も・地域も・国もしなければと思います。